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10月12日の物語

10月15日
読了時間: 2分

「第4の壁を壊すのは好きか?」


がくしの何気ない問いかけから、この日のラウンジでは、舞台の世界と現実の境界について語り合うことになった。


集まったのは、かりん、せいと、がくし、くぼりおと、馴染みのある友人たち。

出演作品や近況の話をしているうちに、話題は演劇の演出へと広がっていった。


登場人物が観客に直接語りかけることは、作品をより面白くするのか。

それとも、物語への没入を妨げてしまうのか。

演じる側と観る側、それぞれの経験から意見が飛び交い、ひとつの答えには収まらない会話が続いた。


そんな真剣な話のあとは、せいとがずっと遊びたがっていた「犯人は踊る」。


かりんも友人たちも快く参加してくれて、せいとは嬉しそうに笑っていた。


ところが、いざ始めてみると犯人として勝つのがなかなか難しい。

がくしはアリバイの使い道に悩み、くぼりおは探偵として次々と犯人を見つけていく。

せいととかりんもあと一歩で逃げ切れそうなのに、最後には見つかってしまう。


悔しがる声も笑い声に変わり、何度も勝負を楽しんだ。


続いて、かりんの友人が「このボドゲ、世界で一番好きで。

おすすめです」と取り出したのは「ゲシェンク+」。


数字のカードと黒いチップだけで始まる、思いがけず奥深い心理戦。

攻めるか、守るか。

自分の判断を信じるか、相手の出方を待つか。

みんなが頭を悩ませる中、最後は自然体で流れに乗ったりおが勝利した。


「これ面白いね!!!!」


初めてのゲームに、みんなから賞賛の声が上がった。


舞台の第4の壁について話していたはずが、気づけばゲームの中で犯人を疑い、相手の心を読もうとしている。


この夜はずっと、誰かの考えを知ることを楽しんでいたのかもしれない。


そして、友人が大切にしていたゲームが、またひとつラウンジのみんなのお気に入りになりそうだった。


第4の壁を壊すべきか、その答えは出なかったけれど、ここでは誰かが「一緒にやろう」と声をかけるだけで、知らなかった楽しさとの境界がなくなっていく。


そんな新しい楽しみを分け合いながら、馴染みの顔ぶれと過ごす夜は、いつもより少し豊かに感じられた。


 
 

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