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10月25日の物語

4 日前
読了時間: 2分

「これは誰にも当てられない!」


そう自信満々に宣言したけんじの作戦は、あっけなく崩れ去った。


日曜日のラウンジでは、けんじ、かりん、せいと、くぼりおと友人たちが集まり、賑やかな時間を過ごしていた。


最初に始まったのは「あいうえバトル」。お題に沿って言葉を考え、相手の言葉に含まれる平仮名を当てていくゲームだ。


「小学校にあるもの」では、かりんとくぼりおが自分の言葉に入っている文字をうっかり指定して自爆。

続く「100円ショップにあるもの」では、けんじが秘密兵器として「蟲神器」を選んだものの、すぐに「し」を当てられてしまった。


そもそも「蟲神器」を知らない人も多く、その話題で盛り上がるけんじと男性の友人たちの姿は、まるで学校の休み時間のよう。


結局、「ほこり」や「ぬりえ」といった意外な言葉を選んだ友人が圧勝した。


次に遊んだ「ジャストワン」では、初めての人もすぐにルールを覚え、みんなで協力してお題を推理した。


難しい問題を当てられなかったせいとは、なぜか自ら切腹を選んで場を笑わせる。

正解できなくても、誰かが楽しそうにしているだけで、周りまで笑顔になっていった。


そしてこの日は、ゲームだけでは終わらなかった。


ラウンジカレンダーの「アクションDAY」を楽しみに来てくれた友人もいて、いよいよ「けんじ道場」が開講したのだ。


初めて殺陣に挑戦する友人に、けんじが刀の持ち方から丁寧に教えていく。

やがて、くぼりおと友人、せいととかりんの二組に分かれ、同じ殺陣を覚えることになった。


けんじも動きに加わりながら、一つひとつの動作を確かめる。


うまく繋がらなければ、もう一度。相手の動きを見て、呼吸を合わせ、少しずつ先へ進んでいく。


そして、ついに最後まで通せた瞬間、みんなから喜びの声が上がった。


さっきまで言葉の読み合いで競っていた人たちが、今度は互いの動きをよく見て、息を合わせている。


ゲームでは相手の考えを探り、殺陣では相手の動きを受け止める。

どちらも、一人ではできないことだった。


初めましての友人同士も、笑い合い、教え合ううちに、いつの間にか自然な距離になっていた。


けんじが自信満々に選んだ言葉は、すぐに見破られてしまったけれど。


この日みんなで覚えた殺陣の動きと、最後まで繋がったときの嬉しさは、きっとそう簡単には忘れない。


学校の休み時間のような賑やかさと、誰かと一緒に何かを覚える楽しさが、日曜日のラウンジに残っていた。

 
 

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