10月14日の物語
まさか、ダーツの罰ゲームから生まれた料理が、舞台の脚本に採用されるとは。
この日のラウンジは、たいがの「次の舞台の台本を覚えなきゃ」という話から始まった。
それを聞いたまさきも、翌日が脚本の締め切りだったことを思い出す。
それぞれ作業に取りかかるものの、料理を題材にした脚本を書いていたまさきは、アイデアに行き詰まってしまった。
そこで友人たちも巻き込み、変わったアレンジ料理を考えることに。
しかし、しばらくするとまさきが作業に飽き始め、水曜日恒例のデスダーツが開幕した。
最後までブルに入れられなかった人が、全員分の買い出しに行くというルール。
初戦はいっちーが敗れ、カニカマやちくわを買って帰ってきた。
せっかくならと、ラウンジにあるお菓子も使ってアレンジ料理の実験が始まる。
チータラとの相性の良さを発見したかと思えば、マンゴーグミまで投入。
友人たちも一緒になって組み合わせを考えたが、なかなか正解にはたどり着かない。
そんな中、いっちーが提案したのは、ミミガーに砕いたうまい棒のとんかつ味とチータラを混ぜるという一品。
恐る恐る試してみると、これが驚くほどおいしい。
まさきの脚本にも採用されることになり、思いがけないところで創作が一歩進んだ。
一方、デスダーツの二戦目では、たいがが早々に勝ち抜け、接戦の末にまさきが牛丼の買い出しへ。
その間、たいがの連勝を止めたいいっちーが一対一の勝負を挑んだ。
罰ゲームはCoCo壱番屋の10辛。
自信満々のたいがだったが、惜しくも敗北。
注文の条件から今回は5辛に挑むことになったものの、その辛さは想像以上だった。
気づけば三人そろって悶絶。
友人たちは笑いながらも心配し、ラウンジは悲鳴と笑い声に包まれた。
台本を覚えるはずが、ダーツに夢中になり、料理を考えるはずが、激辛カレーに苦しんでいる。
ずいぶん寄り道の多い夜だったけれど、その寄り道から本当に脚本のアイデアが生まれたのだから面白い。
明日、まさきが書き上げる物語のどこかには、きっとこの夜のみんなの思いつきが残っている。
何気なく集まって、くだらないことに本気になって。
そんな時間さえ誰かの作品の一部になっていくことが、少し嬉しかった。
辛さに悶えた顔も、料理が成功したときの驚きも、いつか舞台の向こうへ繋がっていく。
そんな不思議な水曜日の夜だった。
