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10月21日の物語

10月23日
読了時間: 2分

「絶対にのらない!」


水曜日のラウンジで、いっちーは誰よりも強い意志を見せていた。


この日、友人たちとはるきがテーマパークの話で盛り上がっていた。

絶叫マシンの話題になると、いっちーは自分がいかに苦手かを熱弁。

どうやら、この場で乗れないのはいっちーだけらしい。


苦手なのは、あのふわっと身体が浮く感覚。

視界が遮られていれば平気な場合もあるという、なんとも微妙な境界線だった。


みんなは克服できるようにと応援するものの、本人の決意は固い。

乗らない宣言を重ねるいっちーに、笑い声が広がった。


一方、ラウンジでは脚本ウィーク三日目の「転」も進んでいた。


一昨日の「起」、昨日の「承」を受け取り、今日は物語を大きく動かす日。

いつも水曜日の脚本に頭を抱えていたせいとが、今回は自らふざけた方向へ転がそうとする。


「それでいいのか」と止めていたいっちーだったが、次第に二人で物語を膨らまし始めた。

そして後半、はるきが真剣に物語と向き合い、広がった話を丁寧に本筋へと戻していく。


思い切り脱線する人がいて、それを面白がる人がいて、最後にちゃんと物語へ繋ぎ直す人がいる。

三人の違う発想が重なり、脚本は完成へと近づいていった。


友人たちもそれぞれの会話に花を咲かせながら、明日の結末を楽しみにしていた。


考えてみれば、ジェットコースターが苦手ないっちーも、脚本の中では予想外の急展開に飛び込んでいた。


現実の絶叫マシンには絶対に乗らないけれど、物語なら、どこへ転がるかわからない面白さを楽しめる。


そんな違いも、なんだかいっちーらしかった。


明日は、いよいよ「結」。


三日間かけてみんなが繋いできた物語が、どんな場所にたどり着くのか。

期待を残しながら、水曜日のラウンジは賑やかに更けていった。

 
 

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