10月3日の物語
いつもの事も一緒だと少しだけ特別になる。
この日は、そんな何気ない楽しさがいくつも重なっていく一日だった。
最近、現場でメイクをする機会が増えたがくしは、レパートリーを増やしたいとみやびに相談。
そこで始まった、みやびのメイクアップタイム。
まずは人生初のカラコンに挑戦するものの、目にものを入れるのが苦手ながくしは大苦戦。
震える手で何度も失敗しながら、なんとか装着に成功した。
そこから髪までしっかり整えてもらい、完成したのは平成男子のような可愛らしい姿。
すっかり気に入ったがくしは、何度も写真を撮っていた。
一方では、かりんの「オセロしよう」の一言から、せいととの勝負が始まる。
序盤はかりんが優勢に見えたものの、徐々にせいとが追い上げていく。
いつもとは少し違う真剣な眼差しで長考するかりんを、みやびやがくしも勝負の行方を楽しみに見守った。
最後は、負けるかもしれないと思っていたせいとが逆転して勝利した。
遊んでいるうちに、かりんから「お腹すいた」の一言。
それならばと、みんなでマックを頼んでマックパーティが始まった。
他愛のない話をしながら食べていると、普段から知っている味なのに、なぜかいつもより美味しく感じる。
話に夢中になって冷めてしまったポテトまで、その日はちゃんと美味しかった。
そして最後は、せいとの「ウミガメのスープをやりたい」から水平思考クイズへ。
問題を見たみやびは、こじつけが多いのではと疑い、「魂の水平思考」ができそうな問題だけを独断と偏見で選んでいく。
答えに近づくとBGMが流れるという謎のシステムまで加わり、音が鳴るたびに全員で盛り上がった。
メイクをして、勝負をして、ご飯を食べて、みんなでひとつの答えを考える。
何をしていても、気づけばそこには誰かの笑い声があった。
冷めたポテトまで美味しかったのは、きっとそのせいだったのかもしれない。
特別な予定がなくても、誰かと一緒にいるだけで少し特別になる。
そんな土曜日の時間が、ラウンジにゆっくりと積み重なっていった。
