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10月7日の物語

10月8日
読了時間: 2分

「みんなでできるね!」

たいがの嬉しそうな声が、まさかこのあとラウンジ中の悲鳴に変わるとは、誰も思っていなかった。


この日も、はるき、たいが、いっちーのもとに友人たちが集まり、賑やかな夜が始まった。


まず盛り上がっていたのは、いっちーが見つけたスマホのポケモンバトル。

たいがや友人たちも参戦し、目が合えばすぐ勝負を仕掛けるいっちーだったが、自信満々で挑んだ初戦からまさかの敗北。


悔しさのあまり勝つまでやると言い張り、友人たちも苦笑いしながら何度も付き合ってくれた。

ようやく勝利を手にしたいっちーは、見たこともないポーズで得意げな顔。

その姿に、またみんなが笑った。


そんな中、いっちーの友人が那須高原で訪れた歴史資料館の話を始める。

横井庄一さんが長年潜んでいた穴蔵を見てきたという話から、たいがとの名前の繋がりが話題になり、いつしかそれぞれの祖先の話へ。


はるきも

「そういえば、僕の祖先は大河ドラマ『鎌倉殿の13人』に出てたよ!

國村隼さんが演じてた大庭景親って人」

と明かし、みんなを驚かせた。

自分もいつか歴史に名を残せる人になれたら。

そんなことを、はるきはふと思っていた。


そして、たいががUFOキャッチャーで手に入れた電気イスゲームが登場する。


パッケージには十二個のイス。

「みんなでできるね!」と期待して開けてみれば、中身はまさかの一個だけ。

説明書を読んでも、複数人で遊ぶには同じ商品がいくつも必要らしい。


がっかりしたのも束の間、それは恐怖のビリビリマシーンへと姿を変えた。

誰かが電気に驚くたび、悲鳴と笑い声がラウンジに響き渡った。


ポケモンで勝ち誇ったり、遠い昔の祖先に思いを馳せたり、電気に飛び上がったり。


話題はあちこちに飛んでいったけれど、どこを見ても楽しそうな顔があった。


いつか歴史に名前が残るような大きな出来事があったとしても、きっと今日のような夜は記録には残らない。


それでも、誰かの得意げな顔や、思わず上がった悲鳴を思い出して笑える日が、いつか来るのかもしれない。


そんな小さな思い出をまたひとつ増やして、ラウンジの夜は賑やかに更けていった。

 
 

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