12月20日の物語
- 2025年12月20日
- 読了時間: 1分
更新日:2025年12月25日
ラウンジには住民も友人もふらりと集まって、それぞれの“好き”が小さく鳴っていた。
いっちーはソファの端で、せいとが流行らせたヨーヨーを黙々と回している。
糸が描く弧がきれいで、見ているだけで肩の力が抜ける。
あゆむは謎の吹楽器を持ち込み、ご機嫌に音を転がしていた。
何の楽器か分からないのに、音だけはちゃんと「ここは安心していいよ」と言ってくる。
ふと、あゆむがケンタッキーの冬CMのテーマを吹き出した瞬間、りのが笑って、ささみがつられて、誰からともなく「ケンタッキー食べたい!」が飛び交った。
その声を聞いていたささみの友人が、当然みたいな顔でUber Eatsを開く。
届いたバレルをテーブルに置いたら、そこだけ少し早いクリスマスになった。
紙袋の音、骨の山、あゆむの演奏の続きを待つ間。
いっちーのヨーヨーが最後にきゅっと戻る音が、夜のしあわせを結んでいた。
