12月24日の物語
- 2025年12月24日
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ラウンジの扉が開くたび、赤い布と鈴の気配がふわっと流れ込んだ。
つばさは王道のサンタで胸を張り、はるきはおしゃれに色を合わせたサンタ、たいがはクリスマスツリーコーデで、いっちーはいつもの服にサンタ帽だけ—
その“抜け”が妙に似合っていた。
みんなの友だちまでサンタで現れて、ケーキの箱がテーブルに増えていく。
はるきの友人が持ち込んだノンアルのシャンパンを開けた瞬間、勢いよく泡が噴き出して床へ散った。
「うわ、ごめん!」の声に、誰かが笑って、すぐ拭く手が伸びる。
そんな小さな事故まで、今日の飾りみたいだった。
チキンを頬張り、ケーキを分け合い、タピオカが届いたら歓声が上がる。
コーラで乾杯して、はるきは絵を描きはじめ、いっちーはMCオーディション用の台本を考える。
ボードゲームの山の向こうで、つばさの“常識クイズ”が始まり、気づけばみんなが同じ方向を向いていた。
好きなことを好きなままにしているのに、何かが始まると自然に輪になる。
年に一度の華やかさが、誰かの居場所をそっと確かめてくれる夜だった。
