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12月8日の物語

  • 2025年12月8日
  • 読了時間: 1分

更新日:2025年12月24日

ラウンジに、紙の擦れる音が混じった。


うめしゅーが持ってきた台本は、ただの文字じゃなくて、誰かの呼吸の置き場みたいに見える。

せいととけんじは、その一行一行に顔を近づけるようにして、うめしゅーの言葉を受け取っていた。

「そこ、もう少し“言わない”でいい」言い切ったあとに残る間まで、稽古の一部になる。

真剣さは不思議と空気を柔らかくして、ラウンジのいつもの雑音さえ、味方に変えていく。


気づけば稽古は終わっていて、話題は舞台裏へ滑り込んだ。

きつかった現場のこと、救われたひと言のこと、笑い話にできるまでの長い時間のこと。

頷きが重なるたび、ここにいる全員の明日が、ほんの少しだけ軽くなる。


その一方で、隅のほうでは、うめしゅーの友人たちが静かにボードゲームで遊び始めていた。

見慣れた光景に「いつものうめしゅーだな」と言いたげな空気が漂って、誰もそれを咎めない。

真面目と気楽が同じ部屋で共存していることが、なんだかあたたかい。


台本を閉じた音が、今日という一日をそっと締めて、余韻だけがゆっくり灯り続けていた。

 
 

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