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1月14日の物語

  • 1月15日
  • 読了時間: 2分

うめしゅーの誕生日当日。

仕事で帰りが遅い彼を驚かせようと、ラウンジを誕生日仕様に変えるための風船が増えていく。


膨らませるたび、手のひらに静電気がぱちっと残って、みんなの気持ちも少しだけ高くなる。

つばさ、たいが、いっちー、すぎと、それぞれの友人たち。

初対面同士が混ざっているのに、ぎこちなさより先に「一緒に何かする」が流れている。


飾りつけの途中、風船が転がった。

誰かが拾ってぽんと上げる。

ぽん、と返る。

いつの間にかバレーボールが始まっていて、ふわふわした軌道に合わせて、笑い声もふわっと揺れる。

風船って、勝ち負けを急がない。

だから空気まで穏やかになるのだと思う。

高く上がりすぎた風船が、天井に当たった瞬間

「パァン!」

乾いた大きな音に、全員の時間が一拍止まった。

驚いた顔のまま目が合って、次の瞬間、みんなで一斉に笑った。

割れたのに、壊れた感じがしない。

むしろ、ここにいる全員が同じ驚きを共有したことで、みんなの距離が近づいた気がした。


その勢いのまま、お祝い動画を撮ろうという話になる。

すぎとつばさがピアノとオカリナで「Happy Birthday」を演奏し、みんなで歌う。

音は完璧じゃないのに、部屋の真ん中に“待ってる人”がいることだけは完璧に伝わってくる。

たいがは「炭酸一気飲みして“うめしゅーさん誕生日おめでとう”をゲップせずに3回言う」チャレンジ。

いっちーはけん玉の「とめけん」。

ゲップや失敗のたびに、撮り直しの合図みたいに笑いが起きて、撮り直すほどに空気があたたかくなる。

最後に全員が成功したとき、拍手の音が少し長く残った。

成功より、そこまでの道のりが、もう贈りものだった。


夜の終盤、すぎは締切が今日までのラジオ音声を録ろうとする。

けれど、つばさ・たいが・いっちーの妨害が止まらない。

わざと咳払いをしたり、妙な相づちを入れたり、笑いを堪えきれずに崩れたり。

それでも嫌な感じは一切なくて、「こういうのが楽しいんだよな」が、ちゃんと全員に共有されていた。

見ていた友人たちも、声を出さずに肩を揺らしている。


友だちの友だちが、いつの間にか友だちになっていく。

寄せ書きが回り、ボードゲームが始まり、誰かの手が足りなくなれば自然に補われる。

賑やかなのに落ち着いていて、落ち着いているのにずっと笑っている。

うめしゅーが帰ってくる前のラウンジは、もう十分に“おめでとう”で満ちていた。

割れた風船の欠片さえ、今夜の余韻みたいに、床の上で小さく光っていた。

 
 

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