top of page

1月18日の物語

1月18日
読了時間: 2分

日曜のラウンジは、友人たちまで揃って、ほどよく賑やかだった。

あゆむ、かりん、たいが、いっちーに、それぞれの友人たち。

誰かがひとりになる隙がないくらい、会話が自然に手渡されていく。

顔馴染みが増えたぶん、笑いも立ち上がるのが早い。


「うまい棒、どれ取ればいいか毎回悩むんだよね」そんな声から、急に“人気の味ランキング”を作ることになった。

一本を八等分にして、みんなで同じ分だけ食べる。

小さな破片がテーブルに並ぶと、それだけで真剣な会議みたいになるのが可笑しい。

1位はコンポタージュ、2位はたこ焼き。

3位は同率でめんたい、てりやきバーガー、エビマヨまで並んで、決選投票の末にめんたいが滑り込んだ。

たった駄菓子のはずなのに、決める過程がちゃんと“みんなの時間”になっていく。

いっちーとたいががサラダ味を推していたのに、あゆむがふいに言う。

「これ、火薬の味がする」

その一言でサラダ味は“火薬味”と呼ばれはじめて、勢いに押されて定着してしまう。

推していたふたりが少し淋しげに笑うのも、なぜだか愛おしかった。

勝ち負けというより、言い方ひとつで世界が変わるのを、みんなが楽しんでいた。


後半は、たいがのけん玉練習。

けん玉YouTuberの影響を受けて大技に挑むのだけれど、失敗が続いて難航する。

ところが途中で、そのYouTuberがかりんの友人だと発覚して、ラウンジの空気が一段跳ねた。

直接もらう短いアドバイスは、魔法みたいに的確で——その直後、たいがが大技に成功する。

歓声が上がり、拍手が重なって、誰かの喜びがそのまま全員のものになる。


二度目は訪れなかったけれど、できなかったことより、できた瞬間にみんなで跳ねた心のほうが、ずっと残る。

日曜の終わりにふさわしい余韻だった。


友人が多くても、ひとつのことを始めると、ちゃんと全員で取り組める。

輪は勝手に広がって、気づけば“友達の友達”が当たり前みたいに隣で笑っている。

火薬味の冗談も、成功の歓声も、そのままこの家のあたたかさになって、ラウンジの奥に静かに積もっていった。

 
 

最新記事

すべて表示
9月16日の物語

雨のせいか、この日のラウンジにはいつもよりゆっくりとした時間が流れていた。 それでも、誰かの隣には自然と誰かがいて、話し声が静かに途切れることはなかった。 ゲームにも少し飽きてきた頃、まさき、たいが、いっちーの三人はダーツを始めることに。 最初こそ点数を数えていたものの、次第に面倒になり、なぜか「最初にブルへ入れた人が負け」という男気ダーツが始まった。 真剣にブルを狙いながら「入るな!」と叫ぶ、矛

 
 
9月15日の物語

この日のラウンジは、みずきち、がくし、はるきと、遊びに来た友人たちでゆったりと始まった。 大勢で囲むような賑やかさとは少し違う。 それでも、誰かが何かを始めれば、自然とみんなの視線がそこへ集まり、気づけば笑い声が重なっている。 そんな近い距離感の夜だった。 始まりは、がくしが一昨日行われた「メロい先輩選手権」を振り返ったことから。 「そもそも、メロさとは何か」 答えを探すべく、みずきちとはるきに“

 
 
9月14日の物語

久しぶりに顔を見せてくれた友人も多く、この日のラウンジはあちこちで話が弾んでいた。 そんな中、りのと友人たちが始めたのは、おじさん構文を作るゲーム。 手札を組み合わせるたびに、絶妙に嫌な距離感のメッセージが次々と誕生する。 読み上げるたびに悲鳴が上がり、それ以上の笑い声が返ってきた。 やがて「最高の文を考えよう!」と、勝ち負けそっちのけで全員の知恵を集め始める。 そして完成したのが、 「オジサンサ

 
 
bottom of page