top of page

1月19日の物語

1月20日
読了時間: 2分

ラウンジはまったりしていて、温かな安心感に包まれていた。

うめしゅー、はるくん、けんじに、友人たち。

誰かが「チェスできるの、かっけぇ」と言い出したところから、夜がゆっくり形を変える。


覚えるなら、まずは駒の動きから。

ということで、友人たちも巻き込んで“人間チェス”が始まった。

誰かがナイトになりきって、誰かがビショップになって斜めにすべる。

ルールの説明は難しいはずなのに、身体でやると不思議と笑いが先に来る。

駒になった人が照れながら立ち位置を変えるたび、ラウンジの空気が少しずつほぐれていった。


そのまま、うめしゅーによる演技指導「梅田塾」開講。

はるくんとけんじは、アメンボの歌や外郎売をあまりやったことがなくて、うめしゅーが基本のトレーニングを丁寧に手渡す。

声の出し方、息の置き方、言葉の角度。

真剣なのに、どこか楽しそうで、教える側も教わる側も、同じ温度になっていく。


中でも盛り上がったのは、友人たちも一緒にやった“マルチタスク”のトレーニングだった。

三つのことを並行して進めるだけなのに、みんなの頭と身体が追いつかなくて、でも追いつかないのが面白くて、失敗が拍手に変わっていく。

できるようになるための練習が、いつの間にか“みんなで笑うための時間”になっていた。


終盤、それぞれがボードゲームをしたり、話をしたり、好きなことに散っていく。

そんな中で、はるくんの友人がギターを鳴らし、はるくんが歌いはじめた。

音が流れた瞬間、ラウンジの手がふっと止まる。

誰も「聞いて」とは言っていないのに、自然に耳が集まっていく。

さっきまでの笑いの余韻が、そのまま静かなあたたかさに変わって、部屋の隅まで届いた。


駒になって、声を出して、頭を混線させて、最後に歌を聴く。

今日のラウンジは、好きなことを好きなままにやりながら、気づけば同じ時間を抱えていた。

音が消えたあともしばらく、椅子の間に小さな余韻だけが残っていた。

 
 

最新記事

すべて表示
9月16日の物語

雨のせいか、この日のラウンジにはいつもよりゆっくりとした時間が流れていた。 それでも、誰かの隣には自然と誰かがいて、話し声が静かに途切れることはなかった。 ゲームにも少し飽きてきた頃、まさき、たいが、いっちーの三人はダーツを始めることに。 最初こそ点数を数えていたものの、次第に面倒になり、なぜか「最初にブルへ入れた人が負け」という男気ダーツが始まった。 真剣にブルを狙いながら「入るな!」と叫ぶ、矛

 
 
9月15日の物語

この日のラウンジは、みずきち、がくし、はるきと、遊びに来た友人たちでゆったりと始まった。 大勢で囲むような賑やかさとは少し違う。 それでも、誰かが何かを始めれば、自然とみんなの視線がそこへ集まり、気づけば笑い声が重なっている。 そんな近い距離感の夜だった。 始まりは、がくしが一昨日行われた「メロい先輩選手権」を振り返ったことから。 「そもそも、メロさとは何か」 答えを探すべく、みずきちとはるきに“

 
 
9月14日の物語

久しぶりに顔を見せてくれた友人も多く、この日のラウンジはあちこちで話が弾んでいた。 そんな中、りのと友人たちが始めたのは、おじさん構文を作るゲーム。 手札を組み合わせるたびに、絶妙に嫌な距離感のメッセージが次々と誕生する。 読み上げるたびに悲鳴が上がり、それ以上の笑い声が返ってきた。 やがて「最高の文を考えよう!」と、勝ち負けそっちのけで全員の知恵を集め始める。 そして完成したのが、 「オジサンサ

 
 
bottom of page