top of page

1月26日の物語

1月27日
読了時間: 2分

ラウンジは、少人数だから声が近くて、笑いがすぐに行き渡る。

はるくん、けんじ、はるきと友人たち。

えさっしーのお手玉を借りて、真剣にジャグリングに挑戦していた。

思うようにいかず、落ちるたびに手が伸びて、笑いがこぼれる。

できないことを、できないまま楽しめる空気があった。


ほどなく届いたのは、2日後に誕生日を迎えるはるくんのためのサプライズのケーキ。

ラズベリーとチョコとピスタチオ。

冷凍のままラウンジに飾って、タイマーをセットする。待つ時間まで甘い。

朝から何も食べていなかったはるくんは「全部食べる」と意気込んで、やさしい笑いが広がる。


解凍を待つあいだに、はるきの友人が二人来た。

そのうちの一人が、はるくんと同じ誕生日だと分かると、偶然の「おめでとう」が重なって、部屋の温度が一段と上がった気がした。


そんな二人が広げたツッコミカルタに、はるくんとけんじが意気揚々と挑む。

「長年のコンビネーションを見せつけて圧勝する」と意気込んでいたが、あっけなく返り討ちに遭う。負けた悔しさよりも、笑った回数のほうが多かった。


思いつきで始まった縦型ショートの撮影。

即興の台本、照れを隠す間もなく始まる芝居。

はるくんとけんじの芝居の様子を、はるくんの友人がカメラマンとして撮影する。

終わって確認すると、思ったよりちゃんとしていて、三人で小さく達成感を分け合った。


そしてついにタイマーが鳴り、ケーキの時間。

フォークを入れたはるくんが「生まれてきて良かった…」と繰り返す様子を、みんなが温かい微笑みで見守った。


夜の終わりは、クソデカ短歌。

個性あふれるワードセンスが飛び交い、スケールの大きい短歌が詠まれる度に、お互いの賛辞が増えていく。

勝ち負けは決まらなかったが、ラウンジ内ではその日1番の笑い声が響いた。


こじんまりとした誕生日会は、名残惜しい甘さを残して、静かにほどけていった。

 
 

最新記事

すべて表示
9月16日の物語

雨のせいか、この日のラウンジにはいつもよりゆっくりとした時間が流れていた。 それでも、誰かの隣には自然と誰かがいて、話し声が静かに途切れることはなかった。 ゲームにも少し飽きてきた頃、まさき、たいが、いっちーの三人はダーツを始めることに。 最初こそ点数を数えていたものの、次第に面倒になり、なぜか「最初にブルへ入れた人が負け」という男気ダーツが始まった。 真剣にブルを狙いながら「入るな!」と叫ぶ、矛

 
 
9月15日の物語

この日のラウンジは、みずきち、がくし、はるきと、遊びに来た友人たちでゆったりと始まった。 大勢で囲むような賑やかさとは少し違う。 それでも、誰かが何かを始めれば、自然とみんなの視線がそこへ集まり、気づけば笑い声が重なっている。 そんな近い距離感の夜だった。 始まりは、がくしが一昨日行われた「メロい先輩選手権」を振り返ったことから。 「そもそも、メロさとは何か」 答えを探すべく、みずきちとはるきに“

 
 
9月14日の物語

久しぶりに顔を見せてくれた友人も多く、この日のラウンジはあちこちで話が弾んでいた。 そんな中、りのと友人たちが始めたのは、おじさん構文を作るゲーム。 手札を組み合わせるたびに、絶妙に嫌な距離感のメッセージが次々と誕生する。 読み上げるたびに悲鳴が上がり、それ以上の笑い声が返ってきた。 やがて「最高の文を考えよう!」と、勝ち負けそっちのけで全員の知恵を集め始める。 そして完成したのが、 「オジサンサ

 
 
bottom of page