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1月27日の物語

  • 1月27日
  • 読了時間: 2分

この日のラウンジは、はるくんの誕生日の余韻を片づけるところから始まった。

壁いっぱいの風船を前に、ささみとつばさは一歩引いて身構える。

割れる音がどうしても苦手らしい。

その横で、かりんの友人が、まるで専門業者みたいな落ち着きで、風船を素手で潰していく。

「バン!」と鳴るたびに、ささみとつばさの叫び声がラウンジに反響して、怖がりと冷静さの対比が、なぜだか可笑しかった。


ひと段落した頃、今度は友人たちによる人気舞台のチケット争奪戦が始まる。

スマホを握る手に力が入り、ラウンジには一瞬、張りつめた静寂が訪れた。

その空気を和らげようと、なつみ、ささみ、かりん、つばさは、それぞれ得意な楽器を手に取って、エールを送る。応援の気持ちはちゃんと届いている気がした。


その流れで、なつみの提案。

「架空の恋愛漫画のタイトルを考えて、ChatGPTに台本を書いてもらおう」

ささみは「照らされる君、僕の影」、かりんは「ルイ君といじわる狼、高木様」、なつみは「近う寄れ!姫君パニック!」。

どれも癖が強くて笑いが起きる。

投票で選ばれたのは、つばさの「好きって、一万回言って」。


生まれた物語は短いけれど、妙に胸に残るものだった。

なつみ演じる“なつお”が、つばさ演じる“つばこ”に告白する話。

その中で、ささみが言った一言が、空気を変える。


「一万回の『好き』は、毎日言えば27年くらい」


それって、27年一緒にいて、ずっと好きって言い続けるってこと。

ほとんどプロポーズじゃない? そんな話になって、ラウンジは一気に黄色い声に包まれた。


「好きな人には、好きって伝えよう」


誰かが言って、みんなが静かに頷く。

風船の残骸も、チケットの結果も、架空の物語も、この夜の一部になっていた。

まったりしているのに賑やかで、気持ちが少し前を向く。そんな、やさしい時間だった。

 
 

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