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1月29日の物語

  • 1月30日
  • 読了時間: 3分

この日のラウンジは、扉を開けた瞬間から、どこか物語の匂いがしていた。


ささみ、りの、れみー、せいと。

友人たちも混ざって、椅子に座る前から「今日は何を演じようか」という空気が、自然と流れ始めていた。


最初に始まったのは、バレンタインをテーマにしたchatGPT台本のお芝居。


学生四人の恋の話で、れみーが演じるのは、優柔不断な男子“れみお”。

それを、せいと演じる“せいこ”、りの、ささみの三人が奪い合う。

告白のシーンは甘くて切なくて、でも肝心のれみおは、どれにもはっきり答えない。

その曖昧さが、逆にリアルで、ラウンジは一瞬、学校の教室みたいになる。


「これで終わりじゃ、納得できないよね」

そんな声から、一年後の続編が生まれ、れみおとせいこが結ばれるルートを演じる。

けれど、まだ足りない。


「じゃあ別ルートもやろう」

りの、ささみ成就ルートが始まり、さらに第3章「溶けないチョコレート」へ。

れみおの煮え切らなさが原因で別れる結末に、全員が一斉にため息をついた。


芝居が終わると、りの、ささみ、せいこで架空の恋バナが止まらない。


「れみお最悪だよね」


実在しない人物のはずなのに、切なさも、ときめきも、ちゃんと胸に残っていて、せいとは人生初の“女子会”に静かに感動していた。


ひと息ついたところで、

「学生時代、タピオカをよく飲んだよね」という話になって、ささみの友人がデリバリーしてくれたタピオカミルクティーをみんなで飲む。

カップを持つ手が少し緩む。

あたたかさと甘さが重なって、懐かしくて、安心する味だった。


その流れでヨーヨーが登場し、恒例になりつつあるせいとのヨーヨー講座が始まる。

れみーは興味津々で、光るヨーヨーを買おうか迷い始める。

「いきなり高いのはやめときなよ」と心配するささみと、「光るのいいじゃん!」と背中を押すりの。

そのギャップに、みんなが笑う。

どんなヨーヨーを選ぶのか、次に集まる理由がまた一つ増えた。


夜の終盤は、映像用の台本稽古。

chatGPT原案を、せいとが脚色し、りののオーディション用に読み合わせを重ねる。

怒りの感情をどう掘り起こすか、日常の中の感情をどう使うか。

友だちも一緒になって考え、言葉を投げ合う。

りのは「すごく勉強になる」と、何度も頷いていた。


「今度マイク持ってくるよ」

せいとの一言で、いつかちゃんと形にしよう、という未来が、ふわっと置かれる。


話題が変わるたび、全員が自然と集まって、同じ熱で向き合う夜だった。

台本に没頭する姿も、笑い合う声も、友人たちには嬉しそうに映っていた。


ラウンジはこの日、演じることと話すこと、そのどちらも大切に抱えながら、静かにあたたまっていた。

 
 

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