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1月9日の物語

  • 1月10日
  • 読了時間: 2分

ラウンジに入った瞬間、空気がふわっとほどけた。

直った暖房の風がご褒美みたいに頬を撫でて、週末のわくわくと同じ速さで、部屋の奥まで届いていく。


まさき、ささみ、こうだい、みずきち。

そこへ友人たちも混ざり、扉が開くたびに笑い声が少しずつ増えていった。

声の種類が増えるほど、部屋はなぜか落ち着いていく。

ここは、賑やかなほど安心できる。


そんな中、テーブルに回り出したのは、うめしゅーの誕生日寄せ書きアルバム。

ページをめくる音と、ペン先のさらさらが、あたたかさに溶けていく。

うめしゅーを知らない人まで、ためらいなくコメントや小さなイラストを足してくれる。

「知らないのに書けるの?」じゃなくて、「知らないからこそ、楽しく書ける」みたいな顔で。

誰かを祝う気持ちが、知らないを追い越していくのが、少し眩しかった。


そのまま「即興劇人狼やろう」となり、始まった途端にラウンジが舞台に変わる。

犯人役のこうだいが、自分が犯人だと理解しないまま真剣に参加していて、推理はいつの間にかコントになった。

ズレているのに堂々としていて、みんなの笑いが何度も波みたいに返ってくる。

笑い終わったあと、息を整える時間まで、どこかあたたかい。


続いて、オセロが強いこうだいの友人に、罰ゲームをかけてまさきが果敢に挑む。

けれど勝負はあっけなく決まり、罰ゲームと称して“モノマネフルコース”が始まった。

タラちゃん、イクラちゃん、マスオさん、アナゴさん——聞き覚えのある声が次々に現れて、笑い声が大きくなっていく。

罰ゲームというより、まさきのオンステージだ。

暖房の風と笑い声が重なって、部屋の隅までやわらかく満ちた。


インクの匂いも、即興のズレも、国民的な声の残り香も。

全部が今日のあたたかさに包まれて、帰り際まで消えなかった。

直った暖房よりも、みんなが誰かのために笑える夜が、いちばんラウンジを温めていた。

 
 

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