2月11日の物語
- 2月13日
- 読了時間: 2分
ラウンジには、すでに笑いの予感があった。
たいが、せいと、いっちー、けんじが集まっているところへ、いっちーとたいがの友人がやってくる。人数が増えるたび、空気が少しだけ軽くなる。
自然な流れでボードゲームが広がり、やがてオセロ対決へ。
オセロが得意な友人とけんじが向き合う。
盤面が黒く染まっていくたび、けんじの表情も少しずつ曇る。
気づけばほとんどの駒を取られ、大敗。
悔しさよりも可笑しさが勝って、そこから「みんなの特技って何?」という話へ転がっていく。
そこから得意な人も、苦手な人もいるお絵かき大会が始まる。
お題をもらい、それぞれが真剣にペンを走らせる。
絵が得意ないっちーは、なぜか絶妙に面白い一枚を仕上げ、笑いをさらう。
友人の描いた丁寧な絵には素直に感心し、ラウンジは拍手と笑いが交互に響いた。
その途中、パソコンに向かっていたせいとが「できた!」と声を上げる。
先日の2月誕生日会ムービーの編集が、ついに完成したのだ。
そのムービーをテレビに映してみんなで一緒に見る。
バースデーソングの作詞作曲、撮影、編集。
それぞれの“得意”が重なって、一つの作品になっている。
画面の中の笑顔を見ながら、ここにいる全員が、同じあたたかさを共有していた。
さらに友人たちが増えた頃、いっちーがぽつりと言う。
「『旅立ちの日に』のハモリ、練習したい!」
主旋律とハモリに分かれ、急きょ合唱が始まる。
けれど音程はごちゃごちゃ、つられて違うパートを歌い出す人もいる。
「学生時代、こっち歌ってた!」と昔話が飛び出し、歌よりも笑いが大きくなる。
それでも、声を合わせようとするその時間が、なんだか懐かしい。
まるで休み時間の教室のように、好きなことを好きなままにやりながら、でも同じ空間を共有している。
特別なことがなくても、ちゃんと楽しい。
そんな午後が、静かにラウンジに残っていた。
