2月19日の物語
ラウンジの一角で、突如として火蓋が切られた。
腕相撲大会。
屈強なつばさの友人を前に、空気が少しだけざわつく。
「まずは削るか」
つばさはえさっしーや友人たちを次々と送り込み、体力を削ろうとする作戦に出た。
何戦か終えたあと、つばさが静かに立ち上がる。
「相手にダメージは入った。いよいよ俺の出番だ。」
満を持しての挑戦。
レディーゴー――
次の瞬間、つばさの腕は一瞬で机へ。
ほとんど風のような速さだった。
机が割れるのではと思うほどの勢いに、一拍遅れて笑いが爆発する。
勝負は一瞬、笑いは長く続いた。
熱の余韻のまま、今度は6人で画力対決。
テーマは「サメ」。
真剣な顔で描く人、最初からネタに走る人。
完成した作品を並べ、友人たちが好みの絵に正の字をつけていく。
拮抗した対決の最終ジャッジは、後から帰宅してきたうめしゅー。
優勝は、たいがの描いたどこか愛嬌のあるサメ。
鋭さよりも優しさが勝った。
えさっしーのサメは、上手くもなく、かといって大きな笑いも取らず、絶妙な立ち位置に落ち着く。
その微妙さが逆に味わい深く、本人の苦笑いまで含めて、ちゃんと場の一部になっていた。
さらに「JUST ONE」が始まる。
親にお題を当ててもらうため、各自がヒントを出す。
ただし、ヒントが被れば無効。
直球で攻める者。
遠回りしすぎて哲学になる者。
思考の癖や性格が、言葉の選び方ににじみ出る。
「それ、伝わる?」
「いや、深いんだよ」
真剣なのにどこか可笑しいやり取りが、何度も繰り返される。
正解したときの小さなガッツポーズが、じわりと嬉しい。
グループは自然といくつかに分かれながらも、
同じ笑い声が空間を行き来して、いつの間にか境目は曖昧になる。
勝ち負けよりも、上手さよりも、
「一緒に笑った時間」がちゃんと残る夜。
この日のラウンジは、
賑やかさの中に、確かなあたたかさがあった。
