2月25日の物語
この日のラウンジは、最初から熱を帯びていた。
はるき、すぎ、いっちー、つばさ。
そこに友人たちが加わり、自然と円ができる。
「ダンスが上手くなりたい。」
そんな想いをみんなが吐きだすと、はるきはニコリと笑った。
そして始まった、はるきによるズートピア篇ダンス練習。
つばさの友人やいっちーの友人も巻き込み、真剣な顔で振りを追い、足を踏み鳴らす。
周りの友人たちは歓声と手拍子で盛り上げる。
空気は完全に本気モード。
――だが、出来上がりは散々だった。
息は上がり、フォーメーションは迷子。
つばさは、自分がいかに踊れないかを痛感する。
「ダンススクール、通おうかな……」
その小さな決意が生まれるほど、踊りの道は深かった。
熱のまま、次はハモり訓練へ。
すぎとはるきが主導し、どんな曲も自然にハモっていく。
その滑らかさに対し、つばさといっちーが挑戦するたび、ラウンジは笑いに包まれる。
ズレる。
揺れる。
迷子になる。
それでも、何度も挑む。
そして奇跡の瞬間。
ほんの一瞬だけ、全員の声がぴたりとハモった。
空気が震えた。
その一瞬の達成感は、散々だったダンスを忘れさせるほど心地よかった。
最後は「パントマイムで伝えよう」。
言葉を封印し、身体だけで単語を伝える表現力を高める修行。
すぎのお題は「デラックス」。
迷いなく、マツコ・デラックスさんを全身で表現する。
だが、なかなか伝わらない。
身振り手振りは大きいのに、答えは遠い。
普段どれだけ言葉に頼っているか、しみじみ思い知らされる。
それでも、伝わった瞬間の喜びは大きい。
笑いと拍手が重なる。
終始、笑い声が飛び交う夜だった。
本気でやって、失敗して、また挑戦して。
上手くいかなくても、それがちゃんと楽しい。
軽やかで、でも少し汗のにじむ夜。
ラウンジには今日も、挑戦と笑いが同時に転がっていた。
