3月15日の物語
- 3月16日
- 読了時間: 2分
この日のラウンジは、片付けの時間から始まった。
前々日に行われた誕生日会の風船が、まだいくつも残っている。
「風船割るの、ちょっと怖いね。」
そんな一言から、ただの片付けが小さなゲームへと変わっていった。
ジャンケンで決めるのは味気ない。
そこで ザ・マインドの数字カード を使い、一番数字が低かった人が悪役として風船を割るというルールが生まれる。
最初は普通に割っていたが、だんだんとみんなが風船を割られないよう逃げ始める。
気づけば、ラウンジは鬼ごっこの会場になっていた。
割る人が追いかけ、逃げる人が笑いながら走り回る。
片付けのはずなのに、いつの間にかみんなで笑い合う時間が増えていた。
ひと息ついた頃、今度はかりんのアクセサリーが絡まってしまう。
くぼりおとせいとが、真剣な顔で解く作業に挑戦する。
その様子を見ていたなつが、あることに気づく。
手元に集中すると、周りの視界がぼやける。
そこで、視界の中に
「8÷2=?」
といった簡単なクイズを出してみることに。
そこから「この状態で問題は解けるのか?」という
ちょっとした実験が始まった。
友人たちは普通に問題を見られる。
住民たちは、焦点が合わないまま答える。
条件が違うのに、意外と答えを導き出せる。
「これ、意外といいトレーニングじゃない?」
そんな声も上がり、スキルアップできる遊びがまた一つ増えていった。
夜の後半は、人生ゲーム。
ただし普通ではない。
全員がアニメキャラクターになりきる人生ゲームだった。
登場したのは
クレヨンしんちゃんの「しんのすけ」
ONE PIECEの「チョッパー」
名探偵コナンの「服部平次」
ドラえもんの「出木杉くん」
それぞれキャラクターになりきりながら、人生を進めていく。
服部平次を演じたせいとと友人は、早々に自動車保険に入らず事故を起こし、大破産。
「バイク乗り回してるからだよ!」
周りから、キャラクターらしいツッコミが飛ぶ。
チョッパーを演じたかりんとなつはなかなかグランドラインへ出られず、
しんのすけを演じた友人たちはのらりくらりと人生を楽しみ、
出木杉くんを演じた友人たちは早々に結婚し、社長へ。
波乱の展開の末、破産続きだった平次が最後に巻き返して優勝。
本気で遊び切ったあとの達成感に、ラウンジでは自然と拍手が起こった。
片付けから始まったこの日。
気づけば、走って、考えて、笑って、みんなで一つの時間を作っていた。
その拍手の中には、少しだけ深まった仲の温度が、確かに混ざっていた。
