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3月18日の物語

  • 3月19日
  • 読了時間: 2分

この日のラウンジには、ゆっくりと誰かを知っていくような、やわらかな時間が流れていた。


すぎちゃん、たいが、せいと。

そこに友人たちが集まり、会話やゲームの合間に、自然とひとつの流れが生まれていく。


ふと、「すぎちゃんのこと、まだあまり知らないかも」という声があがる。


友人が持っていたプロフィール帳をきっかけに、ただの自己紹介ではなく、芝居としてすぎちゃんの事を知っていこうとなった。

構成と脚本はせいと、演出はたいが。

少しの緊張をまといながら、すぎちゃんの自己紹介が始まる。


言葉に、動きに、少しずつ色がついていく。

どこかぎこちなさを残しながらも、それがかえって、その人らしさになっていく。

気づけば、笑いが生まれ、友人たちもまだ見たことのない一面に触れていた。

終わったあと、すぎちゃんは少し照れながらも、どこか満足そうな顔をしていた。


その流れで、「エチュードをやってみよう」という話になる。

すぎちゃんはこれまでエチュードをやったことがないらしく、まずはせいととたいがの2人で見せることに。


与えられたのは、関係性といくつかのワード。

喧嘩した幼馴染が、公園で再会する物語。

「パンダ」や「うまい棒」といった言葉が、不思議と自然に物語に溶け込んでいく。

最後には、仲直りの呪文として「バルス」が使われ、拍手が静かに広がった。


それを受けて、「やってみる」とすぎちゃんも加わる。

3人でのエチュード

スーパーに、バレー部の顧問、3年、1年がいるという舞台設定と、6つのワードを使って制限時間7分で物語をつくる。


初めてとは思えないほど、すぎちゃんの芝居は軽やかで、その場の空気をしっかりつかんでいく。

けれど物語は、ワードに引っ張られて少しずつおかしな方向に。


タイムアップ間近で、たいが演じる顧問が「重力」という指定ワードを無理やりねじ込み、

「なんやその眉毛、重力に負けたんか」と言い放す。

最後は生徒役をえんじたせいとの「やべえなあいつ」というセリフで、幕を閉じた。

どこかおかしな展開に、笑いが滲む。

うまくいったことも、うまくいかなかったことも、全部がそのまま面白さになっていく時間だった。


それぞれが会話をしたり、ボードゲームをしたり、食事をしたり。思い思いに過ごしながらも、誰かが声をかければ、自然と人が集まって、またひとつの空気が生まれる。

静かさと賑やかさが、行き来する。

そんなふうにして、この日のラウンジは、やさしく、心地よく満たされていた。

 
 

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