3月1日の物語
- 3月2日
- 読了時間: 3分
3月のはじまりは、笑い声とともにやってきた。
いっちー、ささみ、さのちゃん、れみー。
そこへそれぞれの友人たちが加わり、ラウンジは自然とひとつの輪になる。
最初に広げたのは「カタカナーシ」。
カタカナ語を使わずに説明する、もどかしくて楽しいあのゲームだ。
さのちゃんがぽつりとつぶやく。
「これ、なぜか昔の人みたいになっちゃうんだよね。」
意味が分からず首を傾げていたみんなも、始めてすぐに理解することになる。
違う答えには「違わし」、惜しい答えには「惜しし」。
独特な言い回しが飛び出し、いつの間にかいっちーやれみーまで古風な口調になっていく。
言葉を縛られると、人は少し時代を遡るらしい。
いっちーは少し苦戦気味。
丁寧に説明していたはずなのに、うっかり自分で答えを言ってしまう。
その抜けた姿に、友人たちは楽しそうに笑った。
一方で、当てるのが抜群に上手な友人もいて、表現する側も巧みだった。
「初代カタカナーシクイーン(非公式)に命名しよう!」
ささみの一言に拍手が起き、場がさらに温まった。
次は、ささみが買ってきたキャラクターマスコットの開封タイム。
箱の中にはさまざまな色のキャラクターがいて、さらに2種類のシークレットカラーが存在する。
みんなで「この色じゃない?」「いや絶対こっち!」と予想し合い、ドキドキしながら開封。
現れたのは濃いピンク色。
当てた2人に拍手が送られ、ささみはその可愛さに見惚れ、れみーはすかさず写真を撮る。
「名前決めたいな。」
さのちゃんの提案は
「ジャスティン・バブリシャスキティちゃん2(ツー)」。
「略して?」とささみが振ると、
「バブリシャス!」
一周回ってその響きが愛しくなり、ささみは“バブリシャス”と呼ぶことを決める。
嬉しそうに、初めてのぬい活写真を何枚も撮っていた。
夜が更けると、ジェスチャーゲームへ。
カードゲームで盛り上がった流れのまま、いっちーが提案する。
「オリジナルのジェスチャーゲームやってみない?」
①誰が
②どこで
③何をした
それぞれをバラバラに書き、組み合わせる。
さのちゃんのお題は
「②横断歩道の真ん中で①セレブが③雨乞いをしていたらMPがなくなった」。
難しすぎる③を書いたいっちーを笑いながら非難するさのちゃん。
でも顔は楽しそうだ。
続いてれみーとささみ。
「①車の教習所の教官が②鳥取砂丘を目指していたらいつのまにか辿り着いた公園の砂場で③片方を人造人間に改造した」。
またしても難題を仕込んだいっちーに、みんなで大笑い。
最後はいっちー自身の番。
「①関ヶ原の合戦の場で②たくさんのプレーリードッグが(前世として)③特別好きでもないゲームのデータが奇しくも消えてしまった」。
もはや物語。
プレーリードッグの解像度だけ妙に高く、そこがかわいいと盛り上がる。
難題は巡るものだと、「明日は我が身」を身をもって学んだ。
全員で同じゲームをして笑う時間もあれば、「これやってみる?」と気になるものを持ち寄る時間もある。
マイペースなのに、空気はひとつ。
3月のはじまりは、やわらかくて、あたたかい1日だった。
