3月3日の物語
- 3月3日
- 読了時間: 2分
この日のラウンジは、静かな集中と、物語の熱が行き交う夜だった。
えさっしーが「マーダーミステリーを勉強したい!」と言い出し、りのがゲームマスターを務めることに。
かりんとえさっしーがプレイヤーとなり、物語が動き出す。
友人たちも周りから参加し、
「誰々が犯人っぽい」「その発言怪しくない?」と考察を重ねる。
推理の言葉が飛び交い、空気はじわじわと緊張を帯びていった。
なぜかこのラウンジでは女性役を任されることが多いえさっしー。
今回も、かりんと親友同士の女性役を演じる。
2人の距離感は自然で、ただ台詞を言っているだけなのに、そこに確かに“情景”が見えた。
物語は思いもよらない方向へ進む。
最終的に、かりんはえさっしーと心中するという選択をする。
かりんにとってはハッピーエンド。
けれど物語としては、バッドエンド。
ラストの展開に、ラウンジから悲鳴が上がった。
静かな夜に、物語の衝撃が残る。
その余韻のまま、今度はエチュードへ。
りのが「いろんなジャンルをやりたい」と言い、テーマは「タクシー」に決まる。
友人の中にタクシー運転手がいたこともあり、現実と物語が少し重なった。
大人になって再会した同級生。
恩師の墓参りへ向かう道中。
そのタクシーの運転手が、実は恩師の息子だったと分かる。
静かに明らかになっていく関係性。
見守る友人たちの視線も真剣になる。
物語が終盤へ差しかかり、
さあオチへ、という瞬間。
「Uber eatsです!」
インターホンの音とともに、現実が割り込む。
一気に緩む空気。
緊張と日常の落差に、笑いがこぼれた。
この日は、勉強する人、本を読む人、芝居をする人。
それぞれがやりたいことを、無理なく続けていた。
建築の仕事の話。
タクシー運転手の話。
友人たちの現実の仕事に触れながら、
「みんな頑張っているんだな」と自然に思う。
誰かの話が、誰かの背中をそっと押す。
物語も、現実も、同じ場所に並んでいた夜。
明日を少し前向きに迎えられそうな、静かで良い時間だった。
