3月3日の物語
この日のラウンジは、静かな集中と、物語の熱が行き交う夜だった。
えさっしーが「マーダーミステリーを勉強したい!」と言い出し、りのがゲームマスターを務めることに。
かりんとえさっしーがプレイヤーとなり、物語が動き出す。
友人たちも周りから参加し、
「誰々が犯人っぽい」「その発言怪しくない?」と考察を重ねる。
推理の言葉が飛び交い、空気はじわじわと緊張を帯びていった。
なぜかこのラウンジでは女性役を任されることが多いえさっしー。
今回も、かりんと親友同士の女性役を演じる。
2人の距離感は自然で、ただ台詞を言っているだけなのに、そこに確かに“情景”が見えた。
物語は思いもよらない方向へ進む。
最終的に、かりんはえさっしーと心中するという選択をする。
かりんにとってはハッピーエンド。
けれど物語としては、バッドエンド。
ラストの展開に、ラウンジから悲鳴が上がった。
静かな夜に、物語の衝撃が残る。
その余韻のまま、今度はエチュードへ。
りのが「いろんなジャンルをやりたい」と言い、テーマは「タクシー」に決まる。
友人の中にタクシー運転手がいたこともあり、現実と物語が少し重なった。
大人になって再会した同級生。
恩師の墓参りへ向かう道中。
そのタクシーの運転手が、実は恩師の息子だったと分かる。
静かに明らかになっていく関係性。
見守る友人たちの視線も真剣になる。
物語が終盤へ差しかかり、
さあオチへ、という瞬間。
「Uber eatsです!」
インターホンの音とともに、現実が割り込む。
一気に緩む空気。
緊張と日常の落差に、笑いがこぼれた。
この日は、勉強する人、本を読む人、芝居をする人。
それぞれがやりたいことを、無理なく続けていた。
建築の仕事の話。
タクシー運転手の話。
友人たちの現実の仕事に触れながら、
「みんな頑張っているんだな」と自然に思う。
誰かの話が、誰かの背中をそっと押す。
物語も、現実も、同じ場所に並んでいた夜。
明日を少し前向きに迎えられそうな、静かで良い時間だった。
