3月8日の物語
この日のラウンジは、遊び心から始まった。
いっちーが仕事を終えて少し遅れて帰宅すると、さのちゃんが一枚の紙を差し出す。
そこに書かれていたのは謎。
「宝を探せ、トレジャーいっちー」
紙の謎を解くと、次の場所が示される。
そこに行くとまた新しい紙と謎。
ラウンジのあちこちを行き来しながら、
いっちーは謎を解いていく。
時には友人たちの知恵も借りながら、
部屋を縦横無尽に駆け巡る小さな冒険になった。
そして最後に辿り着いた“お宝”。
そこに書かれていたのは、
「この時間が宝物さ!」
その言葉を見て、いっちーは少しだけ涙ぐんでいた。
ひと段落すると、今度は舞台の話から流れで怖い話が始まる。
照明を少し落とし、雰囲気もそれらしく。
実際に体験した話や、友人から聞いた話。
一つ話すごとに、ラウンジの空気が少しひんやりする。
静かな緊張が続いたところで、
「この空気、動いて和ませよう!」という流れに。
そこで始まったのが、
さのちゃん発案の「アルティメットジェスチャー」。
3人で
「いつ」
「どこで」
「だれが」
を決め、1人がそれをジェスチャーで表現するゲームだ。
しかし、さのちゃんの出すお題はなかなかの無理難題。
ジェスチャーを担当したりおは、途中で膝から崩れ落ちてしまうほど奮闘する。
なんとか答えが導き出された頃には、りおはすっかり疲れきっていた。
それでも、その姿がまた面白くて、ラウンジには笑い声が広がっていた。
この日は友人同士も仲が良く、グループに分かれて話したり遊んだりしながら、気づけばまた一つの輪になる。
笑いも、少しの涙も、驚きも。
全部ひっくるめて、この日のラウンジにはちゃんと「宝物の時間」が流れていた。
