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4月12日の物語

4月13日
読了時間: 2分

その日のラウンジには、どこか“疑うこと”を楽しむ空気があった。


始まったのは、ダイイングメッセージのゲーム。

誰かが倒れ、最後に残す言葉が、真実へと繋がる。

けれどこのゲームでは、犯人もまた、嘘の手がかりを忍ばせることができる。


本当と偽物が混ざり合い、言葉ひとつで景色が変わっていく。


親しい相手には、その人にしかわからないヒント。

初めて会う相手には、服や持ち物から探る輪郭。


どんな言葉を残すかで、その人との距離さえ浮かび上がってくるようだった。


何度も繰り返すうちに、場の空気はどんどんほぐれていく。


そして、なぜかたいがだけが、何度も“犯人”を引き当てる。

五回連続。

疑う前に、もう笑ってしまう。


やっと違う役になれたと思った瞬間、今度は真っ先に疑われて倒される。

「やっと普通にできると思ったのに!」


その言葉すら、どこか楽しげで、ラウンジにやさしい笑いが広がった。


ひとしきり遊んだあと、いっちーが見つけたひとつのゲーム。


何気なく開いたそれは、レーザー銃で遊ぶシューティングゲーム。


光の軌跡を追いながら、たいがとせいとが夢中になる。

流れ出したのは「GET WILD」。


音と動きが重なり、どこか懐かしくて、少しだけ大げさな空気になる。


その様子を見ていた友人たちは、「男の子だなぁ〜」と、やわらかな視線を向けていた。


やがて、なつも加わる。

四人で並び、同じ方向を見つめながら、少しずつ上達していく。


さっきまで笑っていたはずなのに、今度は少し真剣な顔になる。


遊びの中で、ほんの少しだけかっこよく見える瞬間。

それを、誰も言葉にせずに受け取っていた。


この日のラウンジは、知っている人同士の安心と、

そこに混ざる新しい関係が、自然に溶け合っていた。


疑い、笑い、夢中になる。

そのすべてが、ゆっくりと同じ時間に重なって、穏やかな一日として残っていった。

 
 

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