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9月16日の物語

8 時間前
読了時間: 2分

雨のせいか、この日のラウンジにはいつもよりゆっくりとした時間が流れていた。

それでも、誰かの隣には自然と誰かがいて、話し声が静かに途切れることはなかった。


ゲームにも少し飽きてきた頃、まさき、たいが、いっちーの三人はダーツを始めることに。


最初こそ点数を数えていたものの、次第に面倒になり、なぜか「最初にブルへ入れた人が負け」という男気ダーツが始まった。


真剣にブルを狙いながら「入るな!」と叫ぶ、矛盾だらけの勝負である。


罰ゲームは、最近みんなで遊んでいる「ドゥームズデイ」。

それぞれが自分の拠点を育て、同盟を組んだり、時には他のプレイヤーと戦ったりしながら進めているゲームだ。


負けた人がゲーム内の資源を分け与えることになったものの、矢が六本しかなく、戦力の一番低いたいがだけ手裏剣で戦うことになった。


当然のようにブルへ近づかない。


途中からダーツ一本ずつと手裏剣を交換してもらったものの、結果は惨敗。

渋々資源を渡そうとしたところ、同じ同盟でなければ支援できないことが判明し、たいがは思わぬところで一命を取り留めた。


その後は、いっちーの友人がまさきの“推し”を尋ねたことからアイドルトークへ。


友人たちはまさきの推しを当てようと予想を重ね、答えが分かれば「王道だね!」「この人もいいよね!」と、今度はそれぞれの好きなアイドルの話が広がっていく。

好きなものの話になると、誰の言葉も自然と少し熱を帯びていた。


そして、話題は再び「ドゥームズデイ」へ。


三人は以前、このゲームの中でお互いには攻撃しない“水曜平和同盟”を結んでいた。

しかし最近は、他の同盟を偵察したり攻撃したりと、少しずつ戦いにも積極的になっている。


そんな中、まさきが「たいがの同盟に戦いを仕掛ける」と言い出し、たいがは大慌て。

冗談だと分かって胸を撫で下ろす横で、いっちーは『このゲームで友情に亀裂が入らないか心配』と不安そうにする。


――その画面には、しっかり誰かを攻撃している様子が映っていた。


雨の夜、激しいのはゲームの中ばかり。


好きなものを話したり、くだらない勝負に本気になったり、ゲームの中では戦いながら、顔を上げればいつものように笑い合っている。


誰かが誰かのそばにいて、ひとりになる人がいない。

そんな何気ない距離の近さが、雨音の向こうで、この日のラウンジを静かにあたためていた。

 
 

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