4月20日の物語
- 4月21日
- 読了時間: 2分
その日は、静かな相談から始まった。
いっちーがぽつりと、「セリフを早く覚えたい」とこぼす。
その言葉を受けて、うめしゅーがすぐに動く。
台本を開き、まずは通して読んでみる。
声に出してみることで見えてくること、覚え方の工夫、そして、どこに意識を置くのか。
うめしゅーは、自分のやり方を惜しみなく伝えていく。
その途中で、ふと昔の話になる。
役者を始めたばかりの頃のこと。
今の姿からは想像できないような一面に、思わず笑いがこぼれる。
けれど、その話の奥には、同じように悩んでいた時間が確かにあって、それが少しだけ、距離を近くする。
言葉を覚えること。それ以上に、向き合い方を知る時間だった。
やがて、流れはゆるやかに変わっていく。
「いろんなボードゲーム、やってみたい」
そんな一言から、次々とゲームが広がっていった。
ひとつひとつは短い時間でも、そこにはそれぞれ違う面白さがある。
特に多かったのは、価値観を言葉にするようなもの。
同じお題でも、選ぶものや理由が少しずつ違う。
「へえ、そうなんだ」
そんなやり取りが重なって、自然と輪ができていく。
最初は落ち着いていた空気が、気づけば少しずつ賑やかに変わっていた。
時間の終わりが近づいた頃、一つのゲームに目が止まる。
カルタのようで、お題がまるで早口言葉のようになっているもの。
うめしゅーが興味を示す。
けれど、手に取る前に時間が来てしまう。
「また来週やろう」
その言葉が、自然と交わされる。
今日の続きが、もう少し先にあるような感覚。
静かに始まって、気づけば同じ場所に集まって、
また少し先を約束して終わる。
そんな一日だった。
