4月27日の物語
その日は、誰かの“内側”を覗くような時間から始まった。
テーブルに並んだのは、「サンレンタン」。
人の価値観を当てるゲーム。
例えば「家にあって困るもの」。
用意された選択肢の中から、1人が順位を決める。
それを、他の人が当てにいく。
単純なはずなのに、これが難しい。
「なんでそれが上なの?」
「いや、こっちじゃない?」
考えているうちに、その人の生活や性格まで想像してしまう。
そんな中で、さのちゃんだけが、迷いなくいっちーの価値観を当てていく。
偶然とは思えない精度。
「この人、ただものじゃないな」
そんな空気が、ふと流れる。
やがて、他の人の価値観も少しずつ見えてきて、
「意外と分かるものなんだな」と、静かな納得が広がっていった。
次に始まったのは、早口言葉のカルタ。
読み札そのものが早口言葉で、それを聞いて絵札を取る。
しかも、噛んだら罰ゲーム。
張り詰めた空気の中、それぞれが言葉を選ぶように発する。
けれど、ある瞬間から、前提が崩れる。
「ゆっくり読めば、噛まないんじゃない?」
その発見に、全員が乗る。
早口言葉なのに、ゆっくり読む。
どこかズレたまま進んでいく勝負に、小さな笑いが積もっていく。
最後は、うめしゅーの一言から。
「ちょいワル、やらせてほしい」
明日の撮影に向けた準備。
集まったイメージは、いっちーが「タバコ、ケンカ、トイレットペーパーちょい残し」
さのちゃんが「グラサン、万引き、靴の踵踏む」
そこに与えられた舞台は、“地獄のコンビニ”。
ふざけたような設定の中で、なぜか求められるのはシリアス。
真剣に演じれば演じるほど、どこかおかしさが滲む。
いっちーは、こっそりとコントや漫画のネタを混ぜる。
けれど、それはすべて見抜かれる。
うめしゅーのダメ出しは、本気なのか、演技なのか。
境界が曖昧なまま、時間が過ぎていく。
その日、ラウンジにはオンとオフが混ざり合っていた。
ふざけているようで真剣で、真剣なようで、どこか遊びがある。
その揺らぎの中で、それぞれが自分のままでいられる。
そんな時間が、静かに流れていた。
