top of page

4月27日の物語

4月28日
読了時間: 2分

その日は、誰かの“内側”を覗くような時間から始まった。


テーブルに並んだのは、「サンレンタン」。

人の価値観を当てるゲーム。


例えば「家にあって困るもの」。

用意された選択肢の中から、1人が順位を決める。


それを、他の人が当てにいく。


単純なはずなのに、これが難しい。


「なんでそれが上なの?」

「いや、こっちじゃない?」


考えているうちに、その人の生活や性格まで想像してしまう。


そんな中で、さのちゃんだけが、迷いなくいっちーの価値観を当てていく。

偶然とは思えない精度。


「この人、ただものじゃないな」

そんな空気が、ふと流れる。


やがて、他の人の価値観も少しずつ見えてきて、

「意外と分かるものなんだな」と、静かな納得が広がっていった。


次に始まったのは、早口言葉のカルタ。


読み札そのものが早口言葉で、それを聞いて絵札を取る。

しかも、噛んだら罰ゲーム。


張り詰めた空気の中、それぞれが言葉を選ぶように発する。


けれど、ある瞬間から、前提が崩れる。


「ゆっくり読めば、噛まないんじゃない?」

その発見に、全員が乗る。

早口言葉なのに、ゆっくり読む。


どこかズレたまま進んでいく勝負に、小さな笑いが積もっていく。


最後は、うめしゅーの一言から。

「ちょいワル、やらせてほしい」

明日の撮影に向けた準備。


集まったイメージは、いっちーが「タバコ、ケンカ、トイレットペーパーちょい残し」

さのちゃんが「グラサン、万引き、靴の踵踏む」


そこに与えられた舞台は、“地獄のコンビニ”。


ふざけたような設定の中で、なぜか求められるのはシリアス。


真剣に演じれば演じるほど、どこかおかしさが滲む。


いっちーは、こっそりとコントや漫画のネタを混ぜる。

けれど、それはすべて見抜かれる。


うめしゅーのダメ出しは、本気なのか、演技なのか。

境界が曖昧なまま、時間が過ぎていく。


その日、ラウンジにはオンとオフが混ざり合っていた。

ふざけているようで真剣で、真剣なようで、どこか遊びがある。


その揺らぎの中で、それぞれが自分のままでいられる。

そんな時間が、静かに流れていた。

 
 

最新記事

すべて表示
9月16日の物語

雨のせいか、この日のラウンジにはいつもよりゆっくりとした時間が流れていた。 それでも、誰かの隣には自然と誰かがいて、話し声が静かに途切れることはなかった。 ゲームにも少し飽きてきた頃、まさき、たいが、いっちーの三人はダーツを始めることに。 最初こそ点数を数えていたものの、次第に面倒になり、なぜか「最初にブルへ入れた人が負け」という男気ダーツが始まった。 真剣にブルを狙いながら「入るな!」と叫ぶ、矛

 
 
9月15日の物語

この日のラウンジは、みずきち、がくし、はるきと、遊びに来た友人たちでゆったりと始まった。 大勢で囲むような賑やかさとは少し違う。 それでも、誰かが何かを始めれば、自然とみんなの視線がそこへ集まり、気づけば笑い声が重なっている。 そんな近い距離感の夜だった。 始まりは、がくしが一昨日行われた「メロい先輩選手権」を振り返ったことから。 「そもそも、メロさとは何か」 答えを探すべく、みずきちとはるきに“

 
 
9月14日の物語

久しぶりに顔を見せてくれた友人も多く、この日のラウンジはあちこちで話が弾んでいた。 そんな中、りのと友人たちが始めたのは、おじさん構文を作るゲーム。 手札を組み合わせるたびに、絶妙に嫌な距離感のメッセージが次々と誕生する。 読み上げるたびに悲鳴が上がり、それ以上の笑い声が返ってきた。 やがて「最高の文を考えよう!」と、勝ち負けそっちのけで全員の知恵を集め始める。 そして完成したのが、 「オジサンサ

 
 
bottom of page