4月28日の物語
- 4月29日
- 読了時間: 2分
その日は、“やってみる”が自然に広がっていった。
「お芝居に興味がある」
かりんの友人のその一言から、物語は始まる。
友人が書いた小説。
その中の一場面を、みんなで形にしてみることになった。
かりんが「演出やりたい」と手を挙げる。
言葉だけだったものに、立ち位置が生まれ、動きが加わる。
「演出」「板付き」
聞き慣れない言葉に、少し戸惑いながらも、ひとつずつ理解していく時間。
〈満哉〉〈遥太〉〈優衣奈〉
小説上で名前だけだった存在が、声を持ち、動き出す。
短いシーンの中に、アクションも織り込まれていく。
かりんの指示のもとで、少しずつ形になっていくその時間。
書いた本人が、目の前で物語が立ち上がるのを見て、驚きながらも、嬉しそうに笑っていた。
やり終えたあと、ラウンジに残ったのは静かな達成感だった。
そこから、空気はまた変わる。
すずみーが前に立つ。
ダンスの時間。
流れ出したのは「スウィーツパラダイスリゾート」。
オリジナルの振り付けを、ひとつずつ覚えていく。
かりんや友人はすぐに追いつき、なつは少し遅れながらも食らいつく。
次第に眺めていた友人も審査員役として加わって、ダンスオーディションがはじまる。
すずみーの指導と、周りの支えの中で、最後には全員が同じリズムに乗る。
「踊りはパッションだから!」
その言葉が、場の空気をやわらかくまとめていく。
審査員役の友人たちが総評を述べていく。
結果は、全員合格。
「いい現場だ」と住民たちは口々に言い、全員が満足げに笑っていた。
誰かが誰かを支えて、誰かの挑戦をみんなで見守る。
その繰り返しの中で、自然と拍手が生まれる。
この日は、住民も友人も関係なく、同じ場所で、表現することに向き合っていた。
その時間の中で生まれる、小さな達成と、素直な称賛。
それが、ラウンジをあたたかく満たしていた。
