4月2日の物語
- 4月3日
- 読了時間: 2分
ラウンジには、少し先の楽しみを先取りするような、やわらかな準備の時間が流れていた。
明後日に控えた誕生日会。
その気配が、少しずつ形になっていく。
色とりどりの風船が膨らみ、空間に、ゆっくりと色が差していく。
みやびとれみーが向き合い、試行錯誤しながらアーチを組み上げていく。
「ドアみたいにする?」
その一言で、ただの装飾だったものが、“通り抜けるための場所”に変わる。
ふと振り向くと、友人の手の中に、四つ葉のクローバーのような風船。
せいとが静かに言う。
「幸せを呼ぶクローバー、ええなぁ」
その言葉に、自然とみんなが頷く。
形を整え、場所を決め、少しずつ“意味”が重なっていく。
途中、突然の大きな音。
振り向くと、金色の紙吹雪と、少し驚いたれみーの顔。
割れた風船の中から飛び出した紙吹雪が、まるで、れみーのお祝いをしているようだった。
失敗も、驚きも、すぐに笑いに変わっていく。
予定とは少し違う仕上がりになっても、「これもいいね」と言える空気が、そこにあった。
やがて、飾り付けは少しずつ整い、次に生まれたのはバースデーソング。
たいがとけんじを思い浮かべながら、言葉を重ねていく。
「元気はつらつ」
「ヒーロー」
そのイメージから生まれた、
『Birthday Hero Mission』という曲。
曲のタイトルから広がる、ミッションの構想。
誕生日会を楽しい時間にしてほしいという想いが、しっかりと形になっていく
まだ見ぬ当日の光景を、先に音として描くような時間だった。
誰かのために、何かを準備する。
そのひとつひとつが、もうすでに“お祝い”になっている。
この日のラウンジには、これから訪れる時間をやさしく待つ、あたたかな期待が満ちていた。
