4月6日の物語
- 4月7日
- 読了時間: 2分
ラウンジには、どこか静かな熱があった。
先週の続きをなぞるように、「あいうえおエチュード」が始まる。
最初は言葉がうまく繋がらず、たいがとせいとは何度も立ち止まる。
それでも、ひとつ流れを掴むと、不思議と最後まで辿り着けるようになる。
ぎこちなかった時間の先に、ふたりの目が少しだけ輝いていた。
せいとは、さらにうめしゅーと向き合う。
難しさは増していくのに、それでも途中で手放さない。
言葉を探しながら、どうにか前に進もうとする姿に、小さな決意のようなものが滲んでいた。
やがて場は、少し形を変える。
始まったのは、「エクステンド」。
ひとりが話し、誰かが途中の言葉を拾い、広げていく。
たいがは、つっかえながらも物語を紡ぎ、せいとは目の前の説明に集中するあまり、どこへ向かうのか見失いそうになる。
その中で、うめしゅーの話は、自然に広がり、自然にまとまっていった。
アンコールワットでの出来事から、気づけば話は遠くへと運ばれていく。
そして最後に残ったのは、「ハワイのオウムに気をつけろ」という言葉。
肩に乗せられたオウムと、そのあとに請求されるお金。
現実なのか、物語なのか。
曖昧なまま、みんなの中に残る。
「オウムの色、気になるな」
たいがの一言で、それぞれの頭の中に、違う色のオウムが現れる。
前半は、誰かの芝居を見守る時間。
後半は、同じ遊びを囲む時間。
やっていることは違っても、どこか同じ場所にいる感覚だけは、ずっと続いていた。
それぞれが、それぞれの形で過ごしながら、ふと顔を上げれば、誰かがいる。
この日のラウンジには、そんな当たり前が、静かに確かめられていた。
