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6月14日の物語

6月14日
読了時間: 3分

ラウンジに集まったのは、身体を動かすことが好きな人たちだった。


きっかけは、れみーの何気ないひと言。


「背中のトレーニングがしたい!」


そこからなぜか話は大きく膨らみ、気づけばけんじ先生によるアクロバット講座が始まっていた。


倒立に挑戦したり、前転を見直したり。

最初は派手な技に憧れていたはずなのに、やってみると難しい。


身体を自由に動かすためには、やはり基礎が必要なのだと改めて実感する。


「やっぱり基礎が大事だよね」

誰かのその言葉に、みんなが素直に頷いていた。


けれど、そこで終わる一日ではなかった。

「じゃあ殺陣もやろう!」

その一声で空気が変わる。


けんじが殺陣をつけ、れみーを中心に、せいととくぼりおが動きを合わせていく。


斬る角度。

受ける位置。

見せ方。


それぞれの経験や発想が少しずつ積み重なり、友人たちも見守りながら意見を出していく。


何度も試し、直し、また動く。


そうして完成した一本の動画をみんなで見返した瞬間、

「できたー!!」

という歓声が自然に上がった。


完成した映像そのものだけではなく、そこへ辿り着くまでの時間も含めて嬉しかったのだと思う。


身体を動かしたあとのラウンジには、心地よい疲労感が漂っていた。


そんな中、今度はけんじが友達からギターを教わり始める。


その様子を見ていたれみーと友達も、ふとピアノの前に座った。

小さい頃は弾けたけれど、今はあまり弾かなくなった。

そんな共通点を持つ三人だった。


まずは簡単な曲から。

れみーが「猫ふんじゃった」を教えながら、一緒に鍵盤をたどっていく。


少しずつ指が動くようになった頃、けんじが言った。

「パイレーツの曲、弾けないの?」

挑戦したのは『彼こそが海賊』。

けれど両手で弾くには少し難しい。


そこで簡単な楽譜動画を見つけ、右手と左手を分担して弾いてみることになった。


最初はぎこちなかった音が、少しずつ曲になっていく。

できなかったことが、少しだけできるようになる。

その小さな達成感が嬉しかった。


その後も三人は、いろいろな曲を右手と左手で分けながら演奏して遊んだ。

まるで協力プレイのゲームのように。


練習を終えたあと、けんじが笑いながら言った。

「音ゲーみたいで楽しかった」


するとれみーも頷く。

「これならピアノ弾けない人でも楽しめるから、いろんな人とできるね」


身体を動かし、剣を振り、音を重ねる。

挑戦して、失敗して、笑って、またやってみる。

そんな時間が自然に生まれるのが、この場所らしかった。


帰り際、友人のひとりが手を振りながら言った。

「また来るね」


その笑顔を見送るラウンジには、たくさん動いたあとの心地よい余韻と、今日という一日を楽しみ切った人たちの温かな空気が静かに残っていた。

 
 

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