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6月21日の物語

6月22日
読了時間: 3分

この日のラウンジには、軽やかな足音が響いていた。

きっかけは、くぼりおがオーディションでダンスをした話だった。


「タップダンス習ってみたいんだ〜」

れみーの何気ない一言に、くぼりおはすぐに笑顔で応える。

「やろうよ!」

その言葉だけで、小さな教室が始まった。


まずは基本のステップから。

一、二、三、四。

リズムに合わせて足を動かしてみる。


けれど頭で分かっていても、身体はなかなか思うようには動かない。


力が入りすぎてしまうけんじとれみーは、何度も足元を見つめながら悪戦苦闘していた。


それでも、くぼりおがひとつ助言をすると不思議なほど動きやすくなる。


「なるほど!」

そんな声が上がったのも束の間。

「じゃあテンポアップしてみよう♪」

軽やかな提案とともに難易度は一気に跳ね上がった。


慌てる足。

つられて崩れるリズム。

そして笑い声。


見本を見せるくぼりおの足元は美しかった。

スニーカーなのに、音が揃う。

速いのに乱れない。

まるで床と会話をしているようだった。


その姿に感嘆しながら、みんなもまた足を鳴らす。

上手くいかないことさえ楽しい時間だった。


やがて話題はアクションへ移る。


次の舞台で殺陣に挑戦するせいとのために、今度はけんじが先生になった。


刀を持つ腕の向き。

身体の開き方。

殴られた時の反応。

ひとつひとつ丁寧に確認していく。


れみーとくぼりおも横で同じように動きを真似しながら見守っていた。


「あれ?!これはどうやるんすか?」

問いかけに返ってくるのは、独特な説明だ。

「パンやって、ドーンして、パッパッ!」

言葉だけ聞けば何も分からない。


けれど不思議なことに、みんな何となく理解している。

実際に動いてみせると、さらに分かる。


アクションの世界には、言葉にならない感覚がたくさんあるのだろう。


誰かが失敗して笑いが起きる。

成功すると拍手が起きる。

そんなやり取りを何度も繰り返しながら、少しずつ身体が覚えていく。


タップダンスも殺陣も、本当は簡単ではない。

けれど、この場所では上手くできるかどうかよりも、一緒に挑戦することの方が大切だった。


気づけばみんな額に汗を浮かべている。

それでも表情は明るい。

新しいことを学ぶ喜びと、仲間の成長を見守る楽しさが、その場に満ちていた。


役者としてできることを増やしたい。

もっと面白い表現を身につけたい。


そんな思いを口にしながら、みんなはまた次の挑戦を探している。


ラウンジに残る足音の余韻と笑い声。

そのどちらも、未来へ向かう小さな練習曲のように聞こえた。

 
 

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