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7月11日の物語

7月12日
読了時間: 2分

土曜日のラウンジには、ゆったりとした時間が流れていた。


初めて遊びに来てくれた友人たちがボードゲーム棚を眺めながら、「これ面白そう!」と手に取ったのは、国民的人気アニメのキャラクターが描かれた、まだ誰も遊んだことのないゲームだった。


みんなで説明書を囲み、「こういうことかな?」「やってみよう!」と少しずつルールを覚えていく。


ゲームはシンプルな神経衰弱。

それでも、カードに描かれたイラストや知っている言葉をきっかけに思い出話が始まり、いつの間にかゲームをきっかけに、みんなが子どもの頃に戻ったような時間になっていた。


最後の一組がそろうと、「できたー!」と自然に拍手が起こる。


初めてのゲームも、みんなで遊ぶと盛り上がる。


その後、普段からリアクションがいいくぼりおを見て、「どんなリアクションをとるかな」と、いっちーとせいとの小さないたずらが始まった。


手を鳴らしただけで驚く姿を見て、「音に弱いんだ!」と新しい発見。


さらに不意打ちで後ろから驚かすと、コミカルなリアクションに、見ていたけんじや友人たちから笑みがこぼれる。


本人は「なんで!?」と困惑していたけれど、その素直な反応は、みんなの笑顔を連れてきてくれた。


笑い声が落ち着くと、話題は今年の夏へ。


「今年は何したい?」


友達と出かけたい、浴衣を着たい、ゆっくり休む日を作りたい。


それぞれの夏を話しているうちに、「じゃあ去年の夏って何してた?」という話になった。


ところが、誰も思い出せない。


「昨日着てた服も覚えてないのに、去年の夏なんて覚えてないよ。」


その一言にみんなが吹き出し、「過去は振り返らず前を向いて歩こう!」という、なんとも前向きな結論に落ち着いた。


そんな何気ない締めくくりも、この日のラウンジらしかった。


大きな出来事があったわけではない。


それでも、一緒にゲームを覚え、笑い合い、少し先の夏を楽しみに話す時間がある。


気づけばその何気ないひとときが、いつか思い出したくなる"今年の夏"になっているのかもしれなかった。

 
 

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