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7月16日の物語

7月17日
読了時間: 2分

脚本リレー、いよいよ最終日。


この日任されたのは、物語の締めくくりとなる「結」。


すぎちゃん、りの、れみーは、これまで四日間かけて紡がれてきた脚本を最初から読み返しながら、「この物語は、どんな終わり方が一番心に残るだろう」と考え始めた。


話し合いの末、1つの答えにたどり着く。


ただ怖いだけではなく、極限の中で揺れる人の気持ちや関係性があるからこそ、この物語は最後まで生きる。

誰が最後まで残るのか、誰がどの瞬間にゾンビになるのか。

「この人はここで変わった方が切ないかも」「友情を感じるのはどんな場面だろう」。友人も輪に加わり、一つひとつ確かめるように物語を完成へ近づけていった。


書き進めるうちに、脚本を書くことに慣れていなかった三人も、「この言い方の方が自然だね」「ここは気持ちを揃えた方が伝わる」と、登場人物の心情を軸に考えられるようになっていた。


集中して言葉を選び続ける中、れみーがふとスマホを向ける。


「……setlog撮ったでしょ?」


すぐに気付いたりのの一言に、「バレたー!」と笑い声が重なった。


一時間ごとに二秒だけ動画を残す「setlog」。

今このシェアハウスでも少しずつ広まっているそのアプリを、「楽しいよ」と勧められたすぎちゃんは、りのに教わりながらその場で仲間入りを果たす。


ほんの少しの息抜きが終わると、三人はまた脚本へ向き直る。


「モンスター飲みたいな。」


そんなすぎちゃんの一言から、気分転換も兼ねて買い出しへ出かけることになった。


戻ってきた手には飲み物と、みんなへのエクレアが三つ。


「ありがとう」と笑顔が広がり、りのとれみーはさっそくsetlogを撮り始める。

「もう撮ってる」と笑うすぎちゃんを見て、友人も穏やかに微笑んでいた。


美味しいエクレアで少し元気を取り戻した二人は、遊びに来てくれた友人へエアーでお裾分け。

届くはずのない甘さなのに、その場のみんなはちゃんと受け取ったように笑っていた。


そうしてリフレッシュを挟みながら最後の一文を書き終えたのは、ラウンジの時間が終わる頃。


完成した脚本を見つめるみんなの表情には、大きな達成感が浮かんでいた。


四日間かけて紡いだ物語の最後には、作品を作る楽しさと、その時間を一緒に過ごした人たちの笑顔も、静かに描かれていた。

 
 

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