7月17日の物語
四日間かけて紡がれてきた脚本が、いよいよ一つの作品として完成する日を迎えた。
せいと、れみー、りの、いっちーは、これまで書き上げた台本をつなぎ合わせながら、最後の仕上げに取りかかる。
朗読だからこそ伝わる空気や、言葉の温度を大切にしたい。
そんな思いでナレーションを書き足し、何度も読み返しながら文章を整えていく。
「ここはもっと景色が浮かぶ言葉がいいかも。」
友人たちも自然と輪に加わり、表現のアイデアを出してくれる。その一言で物語の景色がぐっと鮮やかになる瞬間が何度もあった。
少し直しては読み返し、また少し直す。その積み重ねの先で、ようやく「これを届けたい」と思える一冊が完成した。
作品には、書いた人だけでなく、その場にいたみんなの感性がそっと重なっていた。
そして迎えた朗読の時間。
真面目な主人公を演じるせいと、思わず腹が立つほど存在感のある役のいっちー、ナレーションも務めながら物語を優しく支えたれみー、全体を落ち着いてまとめるりの。
それぞれが役に息を吹き込み、友人たちもゾンビのうめき声で物語に加わる。
読み終えたあとには、「ここはもう少し良くできるね」と新しい発見もあった。
それでも、「今までで一番きれいにまとまった作品になったね」と、みんなが笑顔で頷いていた。
最後にタイトルを考える時間が訪れる。
りのが「『2体』はどう?」と口にすると、せいとが「ローマ字にしたら何か意味がありそう」と続ける。
そうして、この物語は『NITAI』という名前を授かった。
作品にも、名前にも、みんなで考えた時間が宿っているようだった。
達成感に包まれたラウンジでは、そのまま友人たちとの穏やかな時間が流れていく。
ランダムステッカーを開封しながら、「狙いのキャラクター出るかな」と一緒にドキドキしたり、懐かしいキャラクターの話で笑い合ったり。
「ナカムラくんって男の子かな?」という何気ない疑問から、「名前だけで決めつけちゃうものだね」と思わぬ話に広がる場面もあった。
さらに、友人が持ってきてくれたカメラで写真を撮ることに。
「どんなポーズがいいかな?」
そんな相談をしながら笑い合う時間もまた、小さな創作のひとつだった。
一つの作品が完成した日だからこそ、そのあとの何気ない時間まで、少しだけ特別に感じられた。
