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7月22日の物語

7月23日
読了時間: 2分

この日のラウンジは、夏休みを前にした放課後のように、未来の話から始まった。


さのちゃんの引っ越しが少しずつ近づく中、「この夏、どんな時間を過ごしたいだろう」「どんなエンタメに触れて、どんなものを届けたいだろう」。


住民も友人も立場を越えて、それぞれの思いを言葉にしていく。


楽しかった作品の話だけではなく、「これは少し違った」「受け取る側はこう感じるかもしれない」と率直な意見も交わされた。


届ける人と受け取る人。


その両方の視点が同じテーブルに並ぶからこそ見えてくるものがあり、「友だち同士だからこそ、ここまで話せるんだね」という空気が自然と流れていた。


誰かを否定するためではなく、もっと良いものを一緒につくりたい。


そんな思いが、静かに重なっていく時間だった。


少し頭を使ったあとは、せいとが部屋からカードゲーム「XENO」を持ってくる。


以前からさのちゃんと遊ぼうと話していたゲームだったらしく、「これ、やろうよ」といっちーにもルールを教えながら遊び始めた。


最初は「難しい!」と首をかしげていたいっちーや友人たちも、一度流れが分かると、「そういうことか!」と表情が変わる。


一枚のカードで状況がひっくり返るたびに歓声が上がり、「次はこうすれば勝てたかも」と自然と次の一戦が始まっていく。


すると偶然にも、遊びに来ていた友人の一人も同じゲームを持ってきていたことが分かる。


「じゃあ二卓でやろう!」


輪が二つに分かれても、あちらこちらから笑い声や驚きの声が聞こえ、ラウンジ全体がひとつの遊び場になっていた。


気づけば時間はあっという間に過ぎ、「今度はリベンジしに来ます!」と笑って帰る友人もいた。


真剣に未来を語り合う時間も、童心に返って遊ぶ時間も、どちらもこの場所には欠かせない。


その日交わした言葉も、カードをめくる一瞬の駆け引きも、この夏を少しだけ楽しみにしてくれる時間になっていた。

 
 

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