7月24日の物語
金曜日のラウンジには、誰かと他愛ない話をして、思いつきで遊んで、笑い合う時間が、ゆっくりと流れていた。
最初に囲んだのは、「ひらがじゃん」。
言葉を作って遊ぶゲームだったはずが、気づけば牌をすべて裏返し、「手触りだけで何の文字か当てる」という全く別の遊びへ変わっていく。
友人たちが次々と正解していく中、つばさだけは最後まで苦戦。
「なんで分かるの!?」
悔しそうに何度も挑戦する姿に、みんなの笑いがこぼれる。
一方のいっちーは、なぜか「ま」だけは誰にも負けず、誰よりも早く当て続ける。
「また『ま』!?」
偶然とは思えない強さに、みんなも思わず拍手していた。
そのままおすすめのアニメの話になると、「キラキラした青春ものは見られないんだよね」と話す住民に、友人たちが「じゃあこれは?」と少しダークな作品を紹介していく。
「それなら見てみようかな。」
そんな一言から、また次に楽しみが増えていった。
しばらくすると、つばさが新しいゲーム思いついた様子で、声を上げる。
写真を見てAKBか乃木坂かを当てるゲーム。
ホストの名前を当てるゲーム。
漫画を音読して作品名を当てるゲーム。
人気アニメのキャラクター名を同時に言って、誰とも被らなければ成功するゲーム。
次から次へと即興でルールが生まれ、そのたびに友人たちも「やるやる!」と輪に加わっていく。
特に、ホストの名前当てゲームで飛び出した「江戸川コナン」という名前には、ラウンジ中が笑いに包まれた。
「そんなホストいるわけない!」
そう言いながらも、誰もが次のゲームを待っている。
つばさ自身も、自分の思いつきでみんなが笑ってくれることが嬉しくて、少し誇らしそうだった。
遊び疲れた頃には、肩や首の凝りに悩むはるくんが、「悟空のきもち」という頭ほぐし専門店を熱心に紹介し始める。
「細かいことは言わないから、一回行ってみて。」
その力強いおすすめに、「そんなにいいの?」と興味津々になる友人たち。
誰かのおすすめを聞いて、誰かの好きなものを知って、また笑い合う。
何か特別なことがあったわけではない。
けれど、何もない一日だからこそ、その場に集まった人たちの好きや面白いが、ゆっくりと混ざり合っていた。そんな穏やかな時間も、このラウンジらしい一つの思い出になっていくのだった。
