top of page

7月24日の物語

7月25日
読了時間: 2分

金曜日のラウンジには、誰かと他愛ない話をして、思いつきで遊んで、笑い合う時間が、ゆっくりと流れていた。


最初に囲んだのは、「ひらがじゃん」。


言葉を作って遊ぶゲームだったはずが、気づけば牌をすべて裏返し、「手触りだけで何の文字か当てる」という全く別の遊びへ変わっていく。


友人たちが次々と正解していく中、つばさだけは最後まで苦戦。


「なんで分かるの!?」


悔しそうに何度も挑戦する姿に、みんなの笑いがこぼれる。


一方のいっちーは、なぜか「ま」だけは誰にも負けず、誰よりも早く当て続ける。


「また『ま』!?」


偶然とは思えない強さに、みんなも思わず拍手していた。


そのままおすすめのアニメの話になると、「キラキラした青春ものは見られないんだよね」と話す住民に、友人たちが「じゃあこれは?」と少しダークな作品を紹介していく。


「それなら見てみようかな。」


そんな一言から、また次に楽しみが増えていった。


しばらくすると、つばさが新しいゲーム思いついた様子で、声を上げる。


写真を見てAKBか乃木坂かを当てるゲーム。


ホストの名前を当てるゲーム。


漫画を音読して作品名を当てるゲーム。


人気アニメのキャラクター名を同時に言って、誰とも被らなければ成功するゲーム。


次から次へと即興でルールが生まれ、そのたびに友人たちも「やるやる!」と輪に加わっていく。


特に、ホストの名前当てゲームで飛び出した「江戸川コナン」という名前には、ラウンジ中が笑いに包まれた。


「そんなホストいるわけない!」


そう言いながらも、誰もが次のゲームを待っている。


つばさ自身も、自分の思いつきでみんなが笑ってくれることが嬉しくて、少し誇らしそうだった。


遊び疲れた頃には、肩や首の凝りに悩むはるくんが、「悟空のきもち」という頭ほぐし専門店を熱心に紹介し始める。


「細かいことは言わないから、一回行ってみて。」


その力強いおすすめに、「そんなにいいの?」と興味津々になる友人たち。


誰かのおすすめを聞いて、誰かの好きなものを知って、また笑い合う。


何か特別なことがあったわけではない。


けれど、何もない一日だからこそ、その場に集まった人たちの好きや面白いが、ゆっくりと混ざり合っていた。そんな穏やかな時間も、このラウンジらしい一つの思い出になっていくのだった。

 
 

最新記事

すべて表示
9月16日の物語

雨のせいか、この日のラウンジにはいつもよりゆっくりとした時間が流れていた。 それでも、誰かの隣には自然と誰かがいて、話し声が静かに途切れることはなかった。 ゲームにも少し飽きてきた頃、まさき、たいが、いっちーの三人はダーツを始めることに。 最初こそ点数を数えていたものの、次第に面倒になり、なぜか「最初にブルへ入れた人が負け」という男気ダーツが始まった。 真剣にブルを狙いながら「入るな!」と叫ぶ、矛

 
 
9月15日の物語

この日のラウンジは、みずきち、がくし、はるきと、遊びに来た友人たちでゆったりと始まった。 大勢で囲むような賑やかさとは少し違う。 それでも、誰かが何かを始めれば、自然とみんなの視線がそこへ集まり、気づけば笑い声が重なっている。 そんな近い距離感の夜だった。 始まりは、がくしが一昨日行われた「メロい先輩選手権」を振り返ったことから。 「そもそも、メロさとは何か」 答えを探すべく、みずきちとはるきに“

 
 
9月14日の物語

久しぶりに顔を見せてくれた友人も多く、この日のラウンジはあちこちで話が弾んでいた。 そんな中、りのと友人たちが始めたのは、おじさん構文を作るゲーム。 手札を組み合わせるたびに、絶妙に嫌な距離感のメッセージが次々と誕生する。 読み上げるたびに悲鳴が上がり、それ以上の笑い声が返ってきた。 やがて「最高の文を考えよう!」と、勝ち負けそっちのけで全員の知恵を集め始める。 そして完成したのが、 「オジサンサ

 
 
bottom of page