7月26日の物語
日曜日のラウンジには、笑い声が途切れる暇がなかった。
最初にみんなで囲んだのは、「ファンサキラー」。
一般人の中に紛れたアイドルを見つけ出すゲームなのだが、そのファンサは本当に何気ない瞬間に飛んでくる。
「今の……私に向けてだった?」
そんな小さな仕草に思わず心が揺れ、疑い合うはずのゲームなのに、気づけばみんな笑顔になっている。
この日は、りのがまさかの三回連続でアイドル役。
自然な笑顔でさりげなくファンサを送り続ける姿に、「自然すぎる!」「全然分からない!」とあちこちから声が上がる。
誰かを騙すゲームのはずなのに、ファンサをもらえたような嬉しさまで生まれる、不思議な時間だった。
続いて始まったのは、「ひらがじゃん English」。
英単語を作っていくゲームだが、省略語や人名は禁止というルールに、せいととかりんは「これもダメ!?」と何度も手を止める。
一方で、海外生活の経験がある友人は迷うことなく単語を並べていき、そのたびに「そんな単語あるの!?」と驚きの声が上がった。
最後はりのが粘り強く勝利。
「英語だけで話す日があっても面白そうだね。」
ゲームを終える頃には、英語への苦手意識よりも、楽しさの方が少し大きくなっていた。
そして最後は、友人が持ってきてくれた「シネマスター」。
ランダムに決まった架空の映画タイトルだけを頼りに、その場で物語を演じる即興劇だった。
主演、助演、監督、スポンサー。
役割を入れ替えながら、友人たちも小道具を作ったりエキストラを務めたりと、全員で一本の映画を作り上げていく。
最後の一本では、せいとがエキストラ役に。
全力で場面を盛り上げようと立ち回った結果、「しゃべってないのに一番うるさい!」と総ツッコミを受けてしまう。
「ちゃんと頑張ったのに!」
悔しそうなせいととは裏腹に、その場は笑い声でいっぱいだった。
演じる人も、それを支える人も、見ている人も。
誰か一人が主役ではなく、その場にいる全員で作品を作っていく。
そんな時間が積み重なるたび、ラウンジは少しずつ、みんなの「楽しい」が集まる場所になっていくのだった。
