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7月6日の物語

7月7日
読了時間: 2分

七夕前日のラウンジには、どこか願い事が似合う穏やかな空気が流れていた。


その空気を破るように始まったのは、「人間ito」。


与えられた世界の中で、それぞれ違う立場になりきり、言葉や芝居だけで自分の引いた数字が大きいのか小さいのか序列を伝えるゲームだ。


貧困な王国、スイミングスクール、アイドルのファンミーティング。


役者たちは自然と役に入り込み、笑いの中にも「そんな表現があるのか」と思わされる場面が何度も生まれる。途中から遊びに来た友人も、説明を聞くだけですぐ物語へ溶け込み、その柔軟さにみんなが感心していた。


最後のお題は「ディズニーランド」。


ところが、せいとの様子だけがどこか切ない。


待ち合わせの友達が全員ディズニーシーへ行ってしまったという設定になり、一人だけ取り残されている。


「また一番だ!」


実は以前、「遊園地」というお題でも、一番低い数字を引き、チケットを忘れて入園できない役を演じていた。


「テーマパークになると、一番不憫な人になる運命なんだね。」


みずきちの言葉にラウンジは大笑い。せいとも肩を落としながら笑っていて、その"お決まり"さえ、みんなの思い出になっていた。


笑いがひと段落すると、話題は以前遊んだストーリープレイングへ。


「あれ、本当に面白かったよね。」


ささみとみずきちが以前から勧めていた作品を、せいとも体験し、その魅力を熱く語り始める。


「ラウンジでもやってほしい!」


その一言で空気が変わった。


体験してもらう日を作って、そのあと観劇してもらう日を作る。


役者が本気で演じるストーリープレイングを、もっと多くの人に届けられないだろうか。


誰かが言葉を足し、誰かが形を整え、気づけばラウンジは小さな企画会議室になっていた。


待っているだけではなく、自分たちで舞台を作る。


そんな未来を話しているみんなの表情は、どこか頼もしかった。


帰る前、壁には七夕の短冊が少しずつ増えていく。


叶えたい夢も、会いたい人も、挑戦したいことも、それぞれ違う。


それでも同じ場所に願いを結びつけていると、不思議と「きっと大丈夫」と思えてくる。


笑い合った夜も、未来を語った夜も、その願いのひとつひとつが、この場所の明かりになっていくのだろう。

 
 

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