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8月19日の物語

8月20日
読了時間: 2分

引っ越し後、久々にシェアハウスに遊びに来たさのちゃんが、いっちーと出演する舞台のフライヤーを持ってきた。

それを見たたいがも「俺もあるよ」と自分の舞台のフライヤーを取り出し、せっかくだから友人たちへ配ることに。


「サインも欲しい!」


その一言から始まったサイン会は、いっちーが有名人のサインを真似し始めたあたりから雲行きが変わる。

「それ誰のサイン!?」と笑っているうちに、いつしかペンはサインではなく絵を描き始めていた。

さのちゃんは好きなアニメのキャラクターを描き、互いのフライヤーにも自由に落書き。

たいがの絶妙なイラストには大笑いが起きた。


最後に友人たちの手へ渡ったのは、サインと絵でいっぱいになった世界にひとつだけのフライヤー。

舞台を楽しみにしてくれる笑顔を見ていると、届けたい作品の先に誰かがいてくれることが、少し嬉しく思えた。


その後は、まさきが「人生ゲームやったことがない」と言ったことから、初めての人生ゲームへ。


始まってみれば、半数がまさかのフリーター。

それでもフォロワー八万人を獲得したり、株で大当たりしたりと、職業に囚われず案外たくましく生きていく。

一方では火星に二軒も家を建てて大借金する人も現れた。

笑いながらも「あり得ない話でもないな」と、妙な現実味に少しだけ怖くなった。


そして初参加のまさきは、序盤の借金をものともせずプロアスリートとして返り咲き、マンションを購入し、子宝にも恵まれて一番にゴール。


「人生って簡単だな」


初めての人生を満喫するその言葉に、みんなで笑った。


一つの話からゆっくり寄り道できる。

そんな何気ない時間が、この日のラウンジには穏やかに流れていた。

 
 

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