8月27日の物語
脚本ウィークも、いよいよ「結」へ。
水曜日までに書き継がれてきた台本を読み返すと、それぞれのパートには、それぞれを書いた人らしい個性がしっかりと残っていた。
「ここから、どう終わらせようか」
がくしが言葉を探す傍らで、みやびとすぎちゃんはインスピレーションを求めて音を鳴らし始める。
みやびが斉藤和義の「ずっと好きだった」を歌い終えると、誰かが言った。
「これ、BGMにしよう!」
そこからは、脚本と音楽を同時に作るという少し変わった時間が始まった。
みやびのギターに、すぎちゃんのカホンが重なる。その音を聞きながら、がくしは続きを書いていく。
「結」の始まりには「ずっと好きだった」。続く場面には、サザンオールスターズの「いとしのエリー」。
曲が変われば、台本の言葉にも少し違った温度が生まれる。
がくしが書いたものを友人たちと読み、すぎちゃんや友人たちが「ここはこうしたら?」とアイデアを加える。そうしてまた演奏が熱を帯びていった。
最後まで通した頃には、みんなから自然と「エモい」という言葉がこぼれていた。
数日間、違う住民たちが少しずつ書き足してきた物語。
その最後を、この日は音楽と一緒に迎えることができた。
無事に書き終えたあとは、打ち上げのように「ito」を囲む。
「架空のお酒を、アルコール度数が高い順に」「架空のコンビニ菓子を、値段が高い順に」
絶妙なヒントを出し合いながら数字を予想していく。
僅差のカードにも苦戦しながら、最後には見事に全員の予想が揃った。
「やったー!」
初めましてだった人も関係なく、みんなで本気で喜び、その勢いのまま記念写真を撮る。
ひとつの脚本を完成させるために集まった人たちが、最後には同じ成功を自分のことのように喜んでいる。
物語だけでなく、そんな関係まで少しずつ出来上がっていた夜だった。
