top of page

8月27日の物語

8月29日
読了時間: 2分

最近シェアハウスへ引っ越してきたしおんが、初めてラウンジへやってきた。


この日は、月曜日からみんなで書き継いできた脚本を全員で読み合わせることに。

完成した物語は、一言で言えばカオスだった。

雀荘でチェスをしながら王手をするような、どこかで見た“カニの矛盾画像”を思わせる世界。

それでも、日ごとに違う人が書いたからこそ、それぞれの個性が不思議なくらい残っている。


くぼりおが客役、せいとが歌とマスター、しおんが幼馴染役を担当して読み進めていくと、最後にはくぼりおへ突然のインプロという無茶振りまで飛んできた。


「え、ここから!?」


困りながらもなんとか応えるくぼりお。その絶妙なところで友人たちから拍手が起こり、演じる側と見ている側の息がぴたりと合う。

住民だけではなく、遊びに来た友人たちまでいて初めて、このラウンジの時間は完成するのかもしれない。


その後は、いっちーによるお絵描き講座。いっちーが描いたキャラクターの輪郭に、友人たちがうろ覚えで足りない部分を描き足していく。

突然のお題に戸惑いながらも、出来上がってみれば意外なほどの完成度。

そのまま自由なお絵描きへ移る頃には、最初より少しだけ線にも自信が宿っていた。


一方では、関西弁の仕事を控えたくぼりおへ、せいとと友人によるスパルタ講座も開講。


「関西弁はテンポ」


そう言われても、くぼりおは「どういうこと……?」と頭を抱えるばかり。

いっちーも言葉にはせずとも、頑張れと念を送るように見守っていた。


そんな光景を眺めながら、しおんも少しずつこの場所の空気を知っていく。


芝居をしたり、絵を描いたり、誰かの挑戦をみんなで応援したり。

初めて降りてきたラウンジは、きっと説明するより、こうして一緒に過ごすほうがずっと分かりやすい場所だった。

 
 

最新記事

すべて表示
9月16日の物語

雨のせいか、この日のラウンジにはいつもよりゆっくりとした時間が流れていた。 それでも、誰かの隣には自然と誰かがいて、話し声が静かに途切れることはなかった。 ゲームにも少し飽きてきた頃、まさき、たいが、いっちーの三人はダーツを始めることに。 最初こそ点数を数えていたものの、次第に面倒になり、なぜか「最初にブルへ入れた人が負け」という男気ダーツが始まった。 真剣にブルを狙いながら「入るな!」と叫ぶ、矛

 
 
9月15日の物語

この日のラウンジは、みずきち、がくし、はるきと、遊びに来た友人たちでゆったりと始まった。 大勢で囲むような賑やかさとは少し違う。 それでも、誰かが何かを始めれば、自然とみんなの視線がそこへ集まり、気づけば笑い声が重なっている。 そんな近い距離感の夜だった。 始まりは、がくしが一昨日行われた「メロい先輩選手権」を振り返ったことから。 「そもそも、メロさとは何か」 答えを探すべく、みずきちとはるきに“

 
 
9月14日の物語

久しぶりに顔を見せてくれた友人も多く、この日のラウンジはあちこちで話が弾んでいた。 そんな中、りのと友人たちが始めたのは、おじさん構文を作るゲーム。 手札を組み合わせるたびに、絶妙に嫌な距離感のメッセージが次々と誕生する。 読み上げるたびに悲鳴が上がり、それ以上の笑い声が返ってきた。 やがて「最高の文を考えよう!」と、勝ち負けそっちのけで全員の知恵を集め始める。 そして完成したのが、 「オジサンサ

 
 
bottom of page