8月30日の物語
「猟銃免許を取りたいんだよね」
けんじの一言を聞いたたいがが、「ここで練習できるよ!」と持ち出したのは、ガンシューティングゲームだった。
「なにそれやりたい!!」
新しく入居したわおんぬとしおんも加わり、早速挑戦することに。
すると友人から「各々が思うかっこいいポーズで戦ってよ!」と注文が飛ぶ。
小指で撃つ人、スナイパーのように構える人、二丁拳銃を構える人。
なぜか銃を持っているのに近接戦を想定している人までいる。
猟銃の練習からはどんどん遠ざかり、途中からはワニワニパニックまで始まって、ラウンジの一角は小さなゲームセンターのような賑わいになっていた。
続いて四人で「ゴキブリポーカー」。
初挑戦のしおんが少し緊張する一方、「ポーカー得意だから」と余裕を見せていたけんじは、まさかの一番乗りで敗北した。
しかも追い詰められるほど、けんじの言葉数は増えていく。
「人間ってピンチになるとめちゃくちゃ喋るんだな」
妙な学びを得ながら、意外な強さを見せるたいがや、序盤から追い込まれても粘り続けるわおんぬに感心する。
最後にはしおんも敗れ、初めての一戦をしっかり満喫していた。
一足先に負けたけんじは、友人と次のゲームを物色。
「わおんぬを大解剖しよう!」
始まった「サンレンタン」では、質問を通してわおんぬの価値観を予想していく。
「意外とわおんぬのこと知らないんだよなぁ」と悩んだり、「見方が似てるかも!」と喜んだり。
そこから、しおんの大解剖も始まった。
その中で飛び出したのが、しおんの「奇祭専門家になりたい」という意外な答え。
そこにわおんぬが食いつき、民俗学の博物館の話へと広がっていく。
初めまして同士でも、ゲームの中で選んだ答えをひとつ知るたび、その人の輪郭が少しずつ見えてくる。
遊んで、笑って、気づけば昨日より少しだけお互いを知っている。
新しい住民を迎えたラウンジには、そんな距離の縮まり方がよく似合っていた。
