8月31日の物語
この日は、いつもよりゆったりとした時間が流れていた。
そんな中、ささみがふいにラウンジへやってきた。
けいちゃんとも、せいととも、しおんとも仲のいいささみ。
その姿を見て、まだラウンジを利用し始めて三回目だというしおんが、気になっていたことを聞いてみた。
「ラウンジって、どう過ごす場所なんだろう」
新しく暮らし始めたばかりだからこそ、まだ分からないこともある。
友人が遊びに来たときはどうしたらいいのか、自分はどんなふうにここにいたらいいのか。
ささみは、無理にいい格好をしようとしなくても、自然体でいたらいいんじゃないかと話した。
それを聞いたせいとも、自分なりの考えを重ねていく。
誰かが何かを始めれば一緒に遊ぶ日もあれば、それぞれ好きなことをしている日もある。
友人が来たからといって、いつも以上の自分を見せなくてもいい。
そんな話をしているうちに、しおんの中にも少しずつ、この場所での過ごし方が見えてきたようだった。
やがて、けいちゃんも帰ってきた。
そこからはひとつの話題に留まらず、気になったことを話しては、また別の話へ。
何か特別なことをしたわけではないのに、会話は途切れず、穏やかに時間が過ぎていった。
ラウンジの過ごし方に、きっとひとつの正解はない。
そうやって誰かと話しながら、自分にちょうどいい居方を見つけていく時間もまた、ここで過ごす夜のひとつなのだと思えた。
