8月4日の物語
更新日:8月5日
ラウンジでは、「もっとできるようになりたい」という言葉が、自然と次の時間を生み出していた。
「空間把握能力を高めたい!」
けんじの一言をきっかけに始まったのは、目を閉じて気配だけを頼りに相手を探す気配斬り。
最初は、れみーとくぼりおの勝負だった。
れみーが慎重に周囲を探っている間に、くぼりおは静かに背後へ回り込み、一瞬で勝負が決まる。
最後は、れみーとけんじの対決。
お互いに同じ場所をぐるぐる回り続け、なかなか距離が縮まらない長期戦になる。
ようやく決着がつくと、「スーツアクターやってるからずるい!」と悔しそうに笑うくぼりお。その言葉に、みんなも思わず笑顔になった。
遊びの中にも、それぞれが積み重ねてきた経験が、そっと顔をのぞかせていた。
その後は、自己PRやオーディションの話から、自然と発声練習へ。
れみーが「タングロールがうまくできないんだよね」と話すと、「じゃあみんなでやってみよう!」と声が上がる。
くぼりおが知っているコツを伝え、けんじも一緒になって何度も挑戦する。
「あ、今わかったかも!」
れみーのその一言に、「やったー!」と自然に拍手が起こる。
誰か一人ができるようになることを、自分のことのように喜び合える。その空気が、この場所らしかった。
そして話題は、もうすぐ撮影が始まるゾンビの映像作品の話へ。
「ゾンビって、どう噛むんだろう?」
何気ない疑問から、今度は噛みつく動きと噛まれる動きを研究することになった。
「これだと見えちゃうね。」
「こっちはキスみたいに見えるかも。」
実際に動きながら何度も試してみるうちに、襲われる側が自然に体をひねり、その奥で噛むように見せる形が一番伝わることに気づく。
細かな工夫を積み重ねながら、「本番もうまくいくといいね」と未来の景色を思い描く三人の表情は、とても楽しそうだった。
遊びの中にも練習があり、練習の中にも笑顔がある。
そんな時間を重ねながら、少しずつ自分たちらしい表現を育てていく一日だった。
