8月5日の物語
この日のラウンジは、思い思いの輪がいくつも生まれ、それぞれの楽しみ方で時間が流れていた。
その中で最初に笑い声が弾けたのは、つばさが「やってみたかった!」と提案した真顔にらめっこ。
ただ向かい合って、真顔で見つめ合う。それだけのシンプルな遊びなのに、不思議と笑いをこらえられない。
掛け声に合わせて視線を交わした瞬間、いっちーもたいがもあっという間に吹き出してしまう。
どうやら、つばさの真顔には何か特別な力があるらしい。
「勝った!」と喜びながらも、「それって真顔がおもしろいってこと……?」と首をかしげるつばさに、また笑いが広がっていた。
何気ない遊びほど、その人らしさがよく見えるものだった。
一方では、友人たちとのガールズトークが途切れることなく続いていた。
最近観たお芝居の感想や、好きなキャラクターの話。
「このシーンがよかった。」
「あの衣装、かわいかったよね。」
住民たちも自然と輪に加わると、一つの話題からまた次の話題へと広がっていく。
気づけば、話題は最近人気の「ちいかわ」に。
かわいいものの話をしているだけで、自然とみんなの表情までやわらかくなっていた。
好きなものを好きだと話せる時間は、それだけで心を近づけてくれる。
そして、もう一つの輪では、友人が持ってきてくれたカードゲーム「ゼノ」が始まっていた。
ルールを教わりながら遊び始めると、遊戯王世代のつばさといっちーはカードの効果をあっという間に覚え、真剣な駆け引きを繰り広げる。
一手ごとに歓声が上がり、周りで見守る友人たちも思わず固唾をのんで勝負を見守っていた。
その一方で、たいがは「これは何のカード?」と一歩遅れながら必死についていく。
そんな姿にも自然と笑いがこぼれ、勝敗よりも「一緒に遊ぶこと」が何より楽しい時間になっていた。
同じラウンジにいても、過ごし方は人それぞれ。
ゲームに夢中になる人も、おしゃべりに花を咲かせる人も、それぞれの輪がゆるやかにつながりながら、今日もこの場所らしい穏やかな夜が流れていた。
