9月5日の物語
この日は、つばさとせいとの誕生日を祝う日。
しかし、ただ祝うだけでは終わらない。
「真の誕生日王はどっちなのか」
そんなよく分からない称号を懸け、つばさにはたいが、せいとにはすぎちゃんが味方につき、長い戦いの幕が上がった。
一回戦のイヌイヌパニックでは、噛まれた人から抜けるルールにしたところ、たいがとつばさがまさかの一発抜け。
「やはり真の誕生者には神がついているのか……」と妙な説まで浮上する。
山手線ゲーム、負けジャンケン、真顔選手権、ゼノ、ジェンガ。
勝ちたいあまり負けジャンケンなのに勝ってしまったりしながら、戦いは延々と続いていった。
終盤、せいとが五勝、つばさが二勝と大きくリード。
しかしつばさが「次に勝ったら三ポイントでいい?」と提案し、せいとも快諾。
すべてをひっくり返せるババ抜きが始まった。
途中、友人たちの「シャッフルタイム!」で手札を交換させられ、さらに謎の力で二度ほど時間が巻き戻った気もする。
それでも最後につばさが勝利し、ついに五対五。
決着は第九回戦「Kluster DUO」へ託された。
磁石を置くたび、周囲の磁石が揺れ、向きを変える。
友人たちも固唾を呑んで見守る中、最後につばさ&たいがチームの一手が勝負を決めた。
こうして、九月の誕生日を司る者は「つばさ」に決定した。
――だがまあ、身も蓋もないことを言えば、つばさもせいとも、本当に誕生日であることには変わりない。
真の誕生日王は一人でも、祝われるべき人は一人じゃない。
誕生日とは、本来奪い合うものではなく、こうしてみんなで笑い合うためにあるのだと、この日の笑顔が教えてくれた。
勝ったり負けたり、時には友人まで巻き込みながら、みんなで本気になって笑った長い長い九回の戦い。
二人にとって新しい一年の始まりに、たくさんの笑顔が残る夜になった。
