9月8日の物語
11月の自主公演に向けて、アイドルをテーマにしたビジュアル写真を真剣に選んでいたみずきち。
その姿を見て、公演にオタク役として出演するがくしが言い出した。
「みずきちの口上を作ろう!」
最初はひとつのアイデアだったはずが、がくしは次第にヒートアップ。
みずきちの友人も加わり、いつしか本気の口上制作が始まっていた。
さらに、がくしによる熱のこもったアイドル談義が始まると、けいちゃんまでその熱にあてられてオタク化。
気づけば本人を目の前に、ラウンジ中がみずきちのオタクになっていた。
この日は友人も多く遊びに来ていて、中には初めてラウンジを訪れた人もいた。
せっかくならみんなで遊ぼうと始まったのは「ウミガメのスープ」。
友人が出題者となり、少ない情報を頼りに「ああでもない」「こうでもない」と答えを探していく。
なかなか辿り着けなかった答えも、真相を聞けば「あー!!」と声が揃う。
難易度の違う問題に挑みながら、がくし、みずきち、けいちゃんもそれぞれ一問ずつ正解することができた。
ゲームが終わっても話は尽きない。
インプロのこと、推し活のこと。
それぞれの場所で違う話題が生まれては、誰かが混ざり、また別の話へと広がっていく。
そんなふうに過ごしていると、いつの間にか共有ラウンジぼ利用可能時間も終わりを迎えていた。
「延長!」
三人から思わず声が上がる。
きっと楽しい時間というのは、時計を見るまで終わりに気づかない。
初めて来た人も、いつもの人も、好きなものを話して、笑っているうちに同じ輪の中にいる。
もう少しだけここにいたいと思えたことが、この日の楽しさをいちばんよく表していた。
